「高いから移行したい」では失敗する これだけある脱VMwareの盲点

VMware製品のラインアップが刷新され、今、多くの企業で仮想化基盤の再構築が検討されている。コストアップにつながる恐れもあることから、VMware製品から離れようと考える企業もあるが、潜在的なリスクも勘案した上で慎重に進めたい。

 BroadcomによるVMware買収を受けて、VMware製品から「Hyper-V」やHCIなどへ移行するか、もしくは利用を継続するかの議論が続いている。移行する場合、利用範囲や目的、自社のIT戦略にマッチした代替策を検討する必要がある。また、他製品へ移行するとなればアプリケーションの改修やシステムの再構築が必要なケースもある。こうした移行に伴う総コストを見積もり、生じるリスクを踏まえた上で移行するかどうかを判断しなければならない。

 キヤノンマーケティングジャパングループのITシステム企業であるTCSの大島靖雄氏(システムエンジニア)は「VMware製品移行において顕在化している課題はほんの一部にすぎない。課題は想像以上にある」と言う。本稿では、同氏の解説を基に、ライセンス変更のポイントとエディションの最適な選択方法、表面化していない移行課題など、VMware製品移行に関するポイントをまとめた。

VMwareライセンス変更でコストに響く3つの変更点をおさらい

 エディションやライセンス体系が大幅に刷新されたことでライセンスコストが大きく増加するケースが見られ、今の仮想化基盤を継続するか移行するかの判断が急務だ。大島氏は、コストに響く3つの変更点を挙げた。

 1つ目は永久ライセンスがサブスクリプションに変更になり、1年、3年、5年のいずれかでの一括払いになったこと。2つ目は、物理CPUに対する課金から物理コア課金に変更されたことだ。1CPU 16コアが最低購入数となり、これより低い数のコアでも16コア分から購入する必要がある。そして3つ目が、これまでは使いたい機能に合わせてユーザー側でコントロールできたが、機能が統合され選択肢が強制されるエディションになったことだ。

図1 コストに響く大幅な変更(出典:TCS提供の資料)

 CPUについては、1CPU 12コアであっても16コア分のライセンスが必要になる。16コア以上は1コア単位で購入でき、1CPU 20コアの場合、20コア分のライセンスとなる。2CPUの場合、12コアであっても16コア分になるので、32コア(2CPU16コア)分のライセンスが必要になる。

図2 CPU単位からCore単位のライセンスに変更(出典:TCS提供の資料)

 エディションについては「vSphere Standard」(VVS)、「vSphere Enterprise Plus」(VEP)、「vSphere Foundation」(VVF)、「vSphere Cloud Foundation」(VCF)の4つに統合された。利用する機能を単体では選べず、必要な機能が含まれるエディションを選択しなければならない。NSXやHCXはハイブリッドクラウド向けのVCFでしか利用できない。

 これに関連して、vSANのライセンスもCPUやコア単位からキャパシティー単位に変更された。バンドル容量とアドオン容量があり、VVFの場合、コア当たり0.25TiBのバンドル容量に不足分をアドオン容量として1TiB単位で購入することになる。VCFの場合は、コア当たり1TiBのバンドル容量がある。ユーザーは現状のシステムをコアで計算し、容量が足りない場合、不足分をアドオンで追加しなければならない。

図3 CPU/Core単位からキャパシティー単位のライセンスに変更(出典:TCS提供の資料)

今ある脱VMware課題は「ほんの一部」 想像以上にある移行課題

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