ITSMツール【前編】

まだ「従業員のお守り」で疲弊しているの? ヘルプデスク業務に“効く”ツールを価格別に紹介

「DX推進やAI導入などの施策立案を求められているのに、日々のIT関連の“お守り”業務に追われている」と悩む情シス担当者は多い。業務負担が重くなるばかりの情シスはツール利用で救われるのか。

 業務システムのクラウドシフトが進み、ハイブリッドクラウドの浸透によってオンプレミスとクラウドの混在環境を管理する手間があるなど、企業の情報システム部門(情シス)の業務はますます煩雑になっている。

 こうした情シスの負担を軽減する選択肢の一つが、各種ITサービスの情報を統合し、一括で管理するSaaS管理ツールや、ヘルプデスク業務をサポートするツール、そして「ITサービスマネジメント」(ITSM)ツールの利用だ。

 だが、キーマンズネットが実施した読者調査(「情シスは多忙でも『あのツール』は使わない おカネ以外の3つの理由とは?」)によると、ITSMツールについては「ITSMツールが何であるかが分からないため、判断できない」という回答が多く寄せられた。 

「SaaSが増えすぎて管理できない」「大量の問い合わせをさばけない」をどう解決する?

 まずはツールの導入メリットを見てみよう。

 増え続けるSaaSの管理やユーザーからの大量の問い合わせにどう対処すべきか。これまで情シスはサーバやネットワーク機器の監視ツールを導入してログを確認したり、ユーザーからの「ログインができない」といったよくある問い合わせには回答のテンプレートを作ってすぐに答えられるようにしたりしてきた。しかし、監視対象が増えたために監視ツールが発するアラートや、増え続けるユーザーの問い合わせに手作業をベースにした対応マニュアルでは追いつかなくなっている企業が多い。こうした課題の一つの解決策になるのがツールの利用だ。

 SaaSや業務デバイスの管理プラットフォーム「ジョーシス」を開発・販売するジョーシスは、IT環境の変化と管理業務の状況を次のように語る。

 「情シスのITサービス管理における課題について、ここ数年で最も大きな影響を与えたのは、2020年から始まったコロナ禍におけるテレワークへの移行だと見ています。オフィスワークを強制的に在宅でこなさなければならなくなり、クラウドサービスの導入が急ピッチで進みました」

 例えば、法務部門では契約書管理や電子署名管理や電子署名サービスの利用が進んだ。加えて、2024年10月に施行されたインボイス制度などの法改正によって、経理部門に新しいツールを導入するケースも急増している。「法務、経理といった本社部門だけでなく、営業やマーケティング、企画部門などでも利用するクラウドサービスが増えています」(ジョーシス)

 ジョーシスによると、米国におけるクラウドサービスの利用は、コロナ禍前は企業当たり平均十数個だったのに対し、コロナ禍以降は100個を超えている。日本の大手企業もそれに近い状況だという。

図1 SaaS利用数の推移(出典:ジョーシスの提供資料) 図1 SaaS利用数の推移(出典:ジョーシスの提供資料)

 その結果、情シスの業務負荷が増している。管理対象が急拡大する一方で、IT管理者の異動や離職が増え、属人化した管理体制では追いつかなくなっているのが実態だ。

 ITSMツール「SmartStageサービスデスク」を提供するクレオに、情シス業務のあるべき姿について聞いたところ、次の3つに分類できるという。

 1つ目は「企業のITインフラやアプリケーションの運用管理」だ。ERPやSaaSなど、管理すべき対象が広がっている。2つ目は「従業員のサポート」、ヘルプデスクやサービスデスクといわれる部門の運営だ。そして3つ目が「戦略的なITの導入、立案」だ。ITの専門家としての経営にコミットしたITの導入や活用を提案し、主導する。こうした役割を果たすためにもITサービス管理(ITSM)の効率化、自動化は重要だ。

 そこで前編となる本稿では、ヘルプデスク業務、ITサービス管理をサポートするツールにどういうものがあるのか、情シスの課題解決にツールがどう“効く”のかを明らかにしつつ、予算によって異なるツールの選択肢を紹介する。

統合運用管理型やITSMツール、機能特化型ツール それぞれ何がどう違う?

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IT導入完全ガイド

注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。

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この記事の著者

指田昌夫
指田昌夫

1964年東京都生まれ。ビジネス系出版社に30年弱勤務し、雑誌やオンラインメディアの編集記者やデスク、広告企画制作を担当。2019年からフリーランスとなる。現在はIT、金融、製造業を中心に取材執筆する。

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