「米国を攻撃するのなら今だ」 サイバー犯罪者がこのように考える理由とは

米国はサイバーセキュリティでは世界の先頭を走ってきた。脆弱性情報をいち早く発して、さまざまな団体を支援してきた。だが、風向きが明らかに変わった。連邦政府がサイバーセキュリティへの支援を打ち切ろうとしているからだ。これから何が起こるのだろうか。

 米国政府はこれまで電力やガス、鉄道、空港などの重要インフラを担う事業者にサイバーセキュリティ関連のさまざまな支援を提供してきた。

 いざ攻撃を受けたときに国の根幹が揺らぐことを防ぐのはもちろん、経済安全保障や国民の生命や安全の保護にもつながるからだ。米国を狙うサイバー犯罪者は他の国家の支援を受けていることも多く、攻撃手法が巧妙で民間企業だけでは対応が難しいことも理由の一つだ。

 だが、米国政府はそのような支援を縮小する準備を進めている。米国政府の動きは世界的なサイバー防衛にも悪影響を及ぼす。日本政府も米国政府と連携しているため、やはり影響を受けるだろう。

日本政府のサイバーセキュリティ予算は?

 日本政府のサイバーセキュリティ関連の予算は内閣官房(NISC)や防衛省、警察庁、総務省など複数の省庁にまたがっている。

 このうち、国家サイバー統括室に改組されたNISCの2025年度の予算は前年度比58億円増の1095億5000万円。なお、デジタル庁の2025年度の予算は4752億円だ。(キーマンズネット編集部)

 民間事業者は脆弱(ぜいじゃく)性の増加やサイバー攻撃の増加、被害の拡大にどのように備え始めたのだろうか。

政府の改革がサイバーセキュリティにもたらす悪影響とは

 ドナルド・トランプ大統領は連邦政府の規模縮小と提供サービス削減という大方針の一環として、インフラ向けのサイバーレジリエンスでも、連邦政府の役割を縮小している。

 この政策は業界関係者やサイバー領域の専門家から反発を買っている。「すでに深刻化している病院や港湾、鉄道など全国の重要システムのサイバーセキュリティに対する懸念が高まる」という警告を公表している。

 トランプ政権の混乱した政府改革はすでに重要インフラ事業者と連邦機関との重要な連携を損ねている。『Cybersecurity Dive』がこれまで報じてきたように影響は深刻だ(注1)。現在、トランプ政権が提案する予算削減と、インフラ保護の責任を州に委ねる計画は、中国が関与するサイバー攻撃や犯罪組織によるランサムウェア攻撃といった脅威に耐えるための米国の備えを一層弱める恐れがある。

 仮に大統領の構想通りに連邦政府機関が後退すれば、インフラ事業者はサイバー防衛のために高額なコストが必要になる。サイバーセキュリティについて助言や支援を依頼できる有償のサービスを急きょ探さざるを得なくなるからだ。影響は重要インフラ全般に及ぶ。特に地方の病院や上下水道施設といった小規模な事業者には一層深刻な影響が発生することになる。

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