「SaaS is Dead」論をテックタッチが検証 大企業の約半数がSaaSの手作業に課題感
テックタッチはSaaS活用の実態調査結果を発表した。AIによる業務実行支援への期待が高まる一方で、既存資産や移行負担を背景に、AI前提の新SaaS導入には慎重な姿勢も見えている。
テックタッチは2026年4月30日、SaaSに関する調査結果を公表した。これは「SaaS is Dead(SaaSは終わった)」という言説が一部で囁かれている中、SaaSを導入している企業は、その効果や課題をどう感じているのかを調査したもの。それによると、利用率の低いSaaSの解約、統合や、AIを前提にした新たなSaaSへの乗り換えを検討する企業が一定数あることが分かった。
「利用率の低いSaaSの解約、統合を検討している」が22.0%
調査結果からは、現在利用中のSaaSに関する課題が見えてきた。AIで自動化、効率化できるはずの作業を人が手動で実施している状況をどう思うか尋ねた設問では、「非常に課題を感じている」が19.3%、「やや課題を感じている」が31.2%だった。どのような業務で課題を感じるか具体的な場面を聞くと「データの集計、加工を手動で実施するとき」が56.4%、「定型的なレポート、報告書の作成を手動で実施するとき」が50.9%だった。
一方で、SaaSに求める価値に変化が見られた。今後の進化の方向性として、「AIによる業務実行支援、自動実行」を重視する回答が多く、計36.7%だった。これは「画面やUI/UXの改善」を重視する回答の計22.0%を上回った。
SaaSに蓄積されたデータの活用については、「十分に活用できている」が3.7%、「ある程度は活用できている」が37.6%で、「あまり活用できていない」「ほとんど活用できていない」の合計は37.6%だった。データ活用で今後求めるものとしては、「AIが異常値やリスクを自動検知してアラートを出してくれること」が43.9%で最多だった。
ただし、AIを前提にした新たなSaaSへの移行が一気に進む状況ではない。今後のSaaSへの投資の方向性について聞くと「既存のSaaSを生かしながら、AI機能を追加、統合していく方向」を重視する回答が計28.5%、「AI活用を前提に設計された新しいSaaSを取り入れていく方向」を重視する回答が計24.8%と拮抗(きっこう)している。
既存SaaSを活用したい理由では、「システムの乗り換えにかかるコストや移行負担が大きいから」が54.8%、「既存SaaSに蓄積されたデータや設定をそのまま生かしたいから」が51.6%だった。
今後12カ月の方針としては、「利用率の低いSaaSの解約、統合を検討している」が22.0%、「AIネイティブなSaaSへの乗り換えを検討している」が18.3%、「利用中のSaaSの棚卸し、整理を実施する予定」が16.5%だった。今回の調査結果からは、企業がSaaSを否定するというより、AI時代に合わせて既存環境の見直しと段階的な再設計を進めようとしている様子がうかがえる。
この調査は、従業員1000人以上の大企業に勤める情報システム、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進担当者、責任者109人を対象に、2026年4月9日から10日にかけてインターネットで実施された。
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