「月3000件の受発注、担当は数人」でも、なぜ残業ほぼゼロにできたのか?
業務において、メールやFAXの管理は負担になる企業も多い。木材の販売などで地域を支える大成木材はインゲージの「Re:lation」を導入し、月約3000件の受発注をメールとFAXの一元管理へ切り替え、見落としを解消した。
1952年に創業し、木材・建材販売やリフォームを手掛ける大成木材は、地域の建築と住まいづくりを支えてきた。木材建材部には月約3000件の問い合わせが寄せられる一方、対応する担当者は数人に限られていた。受発注の窓口はメールやFAX、電話など複数に分かれており、誰がどの案件を担当し、どこまで対応したのかをチーム内で把握しづらい状況だったという。
対応漏れ、二重発注、残業……建材会社を悩ませた問題
特にFAXでは受信の有無や処理状況を管理しにくく、原因を特定できないまま対応漏れや見積もりミスが発生するケースもあった。電話とFAXで同じ注文を受けることで二重発注につながるリスクや、古い情報を基に手配してしまう懸念も残っていた。業務量の増加に伴い残業も常態化しており、正確な受発注管理と業務効率の向上が課題となっていた。
こうした状況を改善するため、同社は対応漏れを防ぎ、全員が安心して働ける環境づくりを目的に約10種類のツールを比較した。その結果、インゲージのコミュニケーションプラットフォーム「Re:lation」(リレーション)を採用した。
選定の決め手となったのは、専門知識がなくても直感的に操作でき、担当者や案件の進捗状況を画面上で即座に把握できる点だった。また、事務所の外からスマートフォンで受発注状況を確認できる利便性も評価した。
導入に当たっては販売パートナーのシクミカの支援を受け、案件の割り振り方法や管理職によるフォロー体制を社内ルールとして整備。未着手案件を管理職が確認して担当者へ割り振る運用を定めた他、総務課長の石井克知氏を中心に独自の運用ガイドやマニュアルを作成し、社内勉強会も実施した。その結果、大きな混乱なく約1カ月で日常業務に定着したという。
運用開始後は、個人メールで受けていた注文を代表アドレスへ集約し、FAXもRe:lation上へ自動通知される仕組みに変更した。案件の進捗(しんちょく)や種類はラベル機能で色分けし、引き継ぎ事項はコメント機能で共有することで、担当者全員がリアルタイムで同じ情報を確認できるようになった。
その結果、少人数でも月3000件規模の受発注を処理できる体制を構築できた。案件全体の状況が可視化されたことで、対応漏れや確認漏れが解消され、見積もりミスも減少した。業務の無駄が削減され、繁忙期を含め残業はほぼ発生しない状態になったという。
今後は電話などシステム化が十分でない通信手段の管理が課題となっており、同社は通信窓口のさらなる集約やAI機能の活用も視野に、DXと業務効率化を進めていく考えだ。石井氏は、社内の状況が可視化されたことで日々の業務が楽になったとし、建材業界に残るアナログな慣行を踏まえ、自社の取り組みを同業他社にも紹介していきたいとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
事例で学ぶ! 業務改善のヒント
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
2
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
9
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー