「大型案件進めたいのに……」夏休みでも情シスを妨害する定型業務
情報システム部門にとって定型業務が落ち着く夏季休暇の時期は、大型案件やIT改善を進めるのに適したタイミングだ。しかし、計画通り案件を進めることができたと回答した人は多くはない。
お盆で従業員の出勤が減る夏季休暇の時期は、情報システム部門にとって定型業務が比較的落ち着き、大型案件やIT改善を進めやすいタイミングだ。しかし、SmartHRによると、計画通り案件を進めることができた層は決して多くなかったという。
SmartHRが情報システム担当者219人を対象に実施した調査から、情シスの大型案件の進行を妨げる定型業務がどの程度の負担となっているのか、また、その負担が軽減された場合にどのような案件に取り組みたいと考えているのかが見えてきた。
半数以上が「計画通りに進まない」 計画を邪魔する情シス業務
通常業務が比較的落ち着く夏季休暇期間を、大型案件やIT改善の好機だと思うかという内容の設問では、「非常にそう思う」が29.7%、「ややそう思う」が62.1%となった。情報システム部門が担う役割が広がる中、夏季休暇のように通常業務が落ち着く時期を活用して改善業務に取り組みたい意識が示された。
直近の夏季休暇に本来取り組みたかった大型案件やIT改善が計画通り進んだかについては、「ほとんど進められなかった」が7.3%、「あまり進められなかった」が43.8%だった。「ある程度進められた」は29.2%、「十分に進められた」は14.2%で、「そもそも該当する案件がなかった」は5.0%だった。該当する案件があった回答者の54.9%が、計画通りに進められなかったと回答した。
その計画を阻んだ理由についての設問では、「予期せぬ障害・トラブルへの突発対応が発生したから」が67.9%で首位だった。「休暇中の対応などで、まとまった作業時間を確保できなかったから」が35.7%、「経営判断や他部署都合による計画変更があったから」が31.2%、「人員が不足しており、案件に人を割けなかったから」が25.9%と続いた。「アカウント発行・問い合わせ対応などの定型的なノンコア業務に追われたから」との回答も18.8%あった。
アカウント発行や問い合わせ対応、PCキッティングなど、定型的な運用業務が現在の業務時間の60%以上を占めるとした回答者は51.2%だった。内訳は「80%以上」が8.7%、「60~80%程度」が42.5%だった。クロス集計の結果では、60%以上を占める層の66.1%が大型案件やIT改善を計画通りに進められなかったという。定型業務が60%未満の層は40.2%で、差は25.9ポイントに達した。SmartHRは、繁忙期を避けるだけでなく、日常の運用業務自体を見直す必要性を示す結果だとした。
本来取り組みたいものの十分な時間を確保できない業務については、「セキュリティ強化(ゼロトラスト対応など)」が56.6%で首位となった。「SaaS・IT資産の管理や棚卸し」が41.1%、「アカウントや権限管理の整備」が35.6%、「ITガバナンス・IT統制の強化」と「DX推進」が各32.0%だった。「AI・生成AIの業務活用」も24.7%を占めた。
定型的な運用業務を自動化・外部委託できた場合に注力したい業務では「セキュリティ対策の強化(ゼロトラスト対応など)」が22.4%で首位となり、「DX推進・業務改善」が18.3%、「ID・権限管理の整備」が16.0%と続いた。「SaaS・IT資産管理の最適化」は14.2%、「ITガバナンス・IT統制の強化」は11.4%だった。
SmartHRプロダクトマーケティング本部情シスプロダクトユニットの佐々木寛也氏は、情シスの課題は単なる忙しさや休みにくさだけではなく、定型業務や突発対応に時間を取られ、本来取り組むべき業務との間にギャップが生じている点にあると説明した。現在の業務を棚卸しし、人の判断や企画が必要な業務へ時間を配分できる体制づくりが必要とした上で、アカウント管理や権限管理、問い合わせ対応などは標準化、自動化、外部リソース活用で負荷を減らす考えを示した。
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