使わなくなったPCを、企業が処分したくてもできない理由
使わなくなった業務用PCは廃棄業者やメーカーなどに回収を依頼して処分するケースが多い。一方で、ある調査によると約3割が処分せずに社内で保管しているという。
使わなくなったPCの処分実態は、企業ごとに大きく異なる。「業務用PCの管理・処分に関する調査」によると、148人の回答者のうち約3割は使わなくなったPCを処分せず、社内で保管しているという。その理由はどこにあるのだろうか。
3割が「社内で保管」 古いPCをそのまま放置するワケ
業務用PCを入れ替える頻度やタイミングを尋ねた設問では、「故障・不具合が出たタイミング」が41.2%で最多だった。「3~4年に1回程度」は20.9%、「5年以上に1回程度」は19.6%、「とくに決まっていない」は13.5%だった。定期的に更新する勤務先は少なく、不具合の発生を契機として交換するケースが目立った。
入れ替え後に使わなくなったPCの扱いを複数回答で尋ねた設問では、「廃棄業者に依頼している」が37.2%で首位となった。「社内で保管している」は29.7%、「メーカー回収に出している」は23.0%、「リース会社に返却している」は19.6%だった。再活用や売却を選ぶ回答は少なく、「社内で別用途に再利用している」は9.5%、「買取業者に売却している」は6.8%にとどまった。約3割が使用済み端末を社内に保管しており、廃棄や売却に移せない企業の存在が示された。
不要PCをすぐに処分・売却しない理由については、「データ消去・情報漏えいが不安だから」が37.2%で首位だった。「資産管理上、勝手に処分できないから」と「忙しくて後回しになっているから」が各29.1%で並んだ。安全面の懸念に加え、社内の管理規則や手続き、担当者の業務負担も処理を遅らせていた。
処分・売却時の具体的な不安において、「データが完全に消去されるか」が66.9%に達した。「情報漏えいが起きないか」も62.2%と高かった。「どの業者を選べばよいかわからない」は21.6%、「処分証明書・データ消去証明書が発行されるか」は14.2%だった。安全な消去を確認できる仕組みと、依頼先を選ぶための基準が課題となっている。
調査結果からは、故障まで端末を使用し、交換後も安全面や社内手続きを理由に保管を続ける企業の姿が示された。多くの企業が業務用PCを「壊れるまで使い続け、処分もできずに抱え込む」という背景には、データ漏えいへの根強い不安があり、「証明書がきちんと発行されるか」「業者を信頼してよいのか」といった懸念が意思決定を止めているようだ。
なお、今回の調査は電脳マーケットおよび未知の2社により実施されたインターネット調査だ。調査は、PCの管理・調達業務に携わるビジネスパーソン148人を対象に、2026年6月10日から15日にかけて実施された。
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