製品認知や導入効果が浸透し始め、全国や海外拠点を持つ企業需要も高まり、市場拡大が見込まれるWAN高速化製品。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2007年度のWAN高速化製品市場は、サーバ統合などに向けた企業のWANトラフィック高速化ニーズの高まりを受け、前年対比126.3%増の31億円となった。製品の認知度や導入効果が浸透しつつあり、全国に拠点のある企業や海外に拠点を持つ企業からの需要により2009年度は大幅に市場拡大する見通しである。
市場占有率(2007年度、金額ベース)を見ると、機能面での評価が高く大規模案件などで実績を伸ばしたベンダーが41.9%を獲得し、1位となった。2位のベンダーは29.0%を獲得しているが、企業買収に伴う製品ラインアップの見直しにより、2008年度の販売は一時的に減少する見込みである。
また、3位には国内市場で先行していたベンダーが16.1%を獲得し、続いている。同社は複数の製品を組み合わせたトータルソリューションの提供を強みとしており、2007年後半から2008年にかけて獲得案件数が大幅に増加している。
製品の機能強化も進んでおり、さらなる高速化やモバイルクライアント対応など、ユーザーニーズのくみ取りとターゲットの拡大が図られている。また、2008年に入り案件規模が大型化しており、リモートバックアップやASP/SaaS(Software as a Service)への対応が重視されるデータセンターへの導入も進むと予測される。
今後は、WAN高速化にとどまらず、アプリケーションも含めた高速化(最適化)のアピールによる潜在需要の喚起が重要となるだろう。
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