迷惑メール除去に加え、情報漏えい対策や日本版SOX法対応など、成長が続く「メールフィルタリングソフト」。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、メールフィルタリングソフトは、当初の目的である迷惑メール除去に加え、近年では情報流出防止に利用されている。ユーザー層はメールの流通量や機密情報、個人情報の多い大企業や官公庁が大半を占める。
2005年に個人情報保護法施行を受けて大規模ユーザーでの需要が伸びた。同ユーザー層への販売展開が一巡したため、同様の伸びが期待された日本版SOX法が施行された2008年度の市場規模は61億円と、前年対比13.0%増にとどまると見込まれる。
市場占有率(金額ベース)を見ると、運用支援を含む総合的ソリューションやSMB(中小中堅企業)向けのASPを提供しているベンダーが60%近くを占めた。2位のベンダーは、フィルタリング機能に特化し、情報漏えい対策として強い支持を受ける製品を提供しており、25%弱を獲得した。
各ベンダーはSMBへの拡販を図っているが、運用管理面やコスト面での負担が大きいため、ASPやアプライアンスに形態を変えて需要拡大を目指している。ASPの訴求効果は強いが、提供者側のサポート面での手間が案件数に比例する上、月額料金のため投資回収に長期間を要し、ビジネスモデルの構築が課題となっている。またソフトウェアに比べると拡張性が低く、ユーザーのニーズに対応しきれないケースではソフトウェアの需要が高いとみられる。今後は、潜在的な大規模ユーザーへの訴求とSMBユーザーへの販売促進活動が市場の拡大へつながっていく。
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