出荷台数が、2007年対比2.7%減のマイナス成長となったPCサーバ。厳しい市況のなか、競争も激しさを増す同製品。シェア情報を紹介する。
ノークリサーチの調べによれば、2008年度のPCサーバ市場は、出荷台数が前年対比2.7%減の53万5487台と、6年ぶりのマイナス成長となった。さらに低価格なタワーサーバの実績が平均単価を下げ、出荷金額は前年対比7.0%減の2814億円と大きく落ち込んだ。ただし、ブレードサーバは統合化/仮想化の需要を受け、6万1598台で成長率17.0%を示し、全サーバ市場の11.5%を占めた。この伸びはさらに続くことが確実視される。
市場占有率(出荷台数ベース)を見ると、ベンダーの中で唯一前年に比べ台数を伸ばしたNECが27.0%で1位を保った。大手案件やデータセンタ需要に加え、低価格サーバを医療関係など動きの良い特定業界向けに拡販したことで実績を伸ばした。
2位の日本HPは、大企業に強みを持っているが、需要の低迷を大きく受けて2008年度の後半から苦戦が続き、SMB(中堅・中小企業)でのチャネル販売も低迷したため24.2%とNECにシェアを引き離された。
3位には、多くのSI企業やSMBの支持を受けたデルが16.6%で続いた。また、14.8%で4位の富士通は、特に下期以降で低価格サーバやチャネル見直しなどSMBへの深耕を展開し、上昇の動きを見せる。
2009年度も3〜5%のマイナス成長が続くと予測されるが、大手企業を中心に進む統合や集約化、仮想化に伴う高機能サーバ需要、SaaS/クラウドなど新たなITインフラ作りの需要により、2010年度以降は増勢へ転じるとも考えられる。
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