フィッシングによる不正アクセスの危険が高まり拡大した「ワンタイムパスワード」市場。今後クラウドサービスでの利用拡大が予測される。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2012年度のワンタイムパスワード市場規模は前年度比8.9%増の49億円と見込まれる。
フィッシングなどで、IDやパスワードを不正に入手してアクセスする危険性が高まり、大手の金融機関を中心にパスワード認証を強化する目的として当該製品の利用が拡大した。2011年度は東日本大震災の影響を受け、BCP対策としてテレワークや社外アクセスといった認証ニーズが高まり、さらに市場が拡大した。
2012年度の市場占有率(金額ベース)は、1位のベンダーが61.2%のシェアとなる見通しだ。同社はハードウェア製品を中心に販売実績が高く、特に金融向けに高い実績を持つ。2位は22.4%となる見通しだ。凍結案件が再び動き出したことや、官公庁での大型案件があり大幅な実績拡大が見込まれる。
3位は2.9%のシェアとなる見通しで、リモートデスクトップやBCP対策を目的とした利用の拡大により、大きく実績を伸ばす。シェア2位と3位のベンダーでは、ハードウェア型から低コストで利用できるソフトウェア型への移行が進むことが期待される。
今後は、リモートアクセスやクラウドサービスにおける認証として当該製品の利用拡大が予測され、業種を問わず需要が拡大するとみられる。
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