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都内7カ所で検証、モバイルブロードバンドの実力IT導入完全ガイド(3/4 ページ)

» 2014年01月27日 10時00分 公開
[小池晃臣タマク]

検証場所その3:キーマンズネット編集部オフィス

図10 NTTドコモ Xiでの検証結果 図10 NTTドコモ Xiでの検証結果

 オフィス内であってもモバイルブロードバンドを利用するケースがあるかもしれないということで、すぐ近くにあるキーマンズネット編集部内でも計測を行ってみた。ここでは、HW-02Eへの接続で下り4.24Mbps/上り2.83Mbpsという結果が得られた。やはり、つい先ほどの東京国際フォーラムでの結果よりも上りの速度がかなり上がっている。

図11 編集部内 図11 編集部内。年末進行で慌ただしい(?)キーマンズネット編集部。写真はWi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14
図12 UQ WiMAXでの検証結果 図12 UQ WiMAXでの検証結果。ノーリミットモード

 同じくキーマンズネット編集部内でHWD14のノーリミットモード(通常のWiMAX)で試したところ、下り2.96Mbps/上り0.49Mbpsだった。

検証場所その4:港区芝のあるオフィスビル内

 午前中の実測が終了後、午後一番で筆者は港区芝のあるIT企業でのミーティングに出席したのだが、この間にも人目を盗んで(?)測定を行ってみた。場所は鉄骨鉄筋コンクリートの頑丈なオフィスビルの6階で、窓のない奥まった会議室だ。ここではHWD14のハイスピードプラスエリアモードで下り12.91Mbps/上り7.29Mbpsという値をたたき出した。

 会議室でHW-02Eに接続し直して測定を開始。下り3.12Mbps/上り1.60Mbpsとなった。どうやらコンクリートのビルの中であっても想像したほどの影響は受けてなさそうである。

図13 UQ WiMAXでの検証結果図14 NTTドコモ Xiでの検証結果 (左)図13 UQ WiMAXでの検証結果。ハイスピードプラスエリアモード(右)図14 NTTドコモ Xiでの検証結果

検証場所その5:渋谷ハチ公前

 今度はビジネスパーソンと買い物客のどちらも多い繁華街での計測を行うべく、渋谷駅のハチ公前に移動した。折しも時はクリスマス、まさに人また人でごった返すなか、ハチ公の像を尻目にノートPCを広げる。

図15 渋谷ハチ公前 図15(左)渋谷ハチ公前。渋谷ハチ公前はさすがに人が多い。(右)HW-02E
図16 NTTドコモ Xiでの検証結果 図16 NTTドコモ Xiでの検証結果

 まずはHW-02Eに接続。すると結果は、下り4.65Mbps/上り1.33Mbpsとなった。

 今度はHWD14での計測を実施したところ、下り4.72Mbps/上り1.68Mbpsという数値であった。同じくノーリミットモードでの測定結果は、下り1.18Mbps/上り1.53Mbpsであった。

 同じ基地局を使用している人がかなりの数に登ると思われるこの場所でのこの結果は、イベント会場などでモバイルブロードバンドを利用した際の実質的な通信速度の参考になるかもしれない。

図17 UQ WiMAXでの検証結果図18 UQ WiMAXでの検証結果 (左)図17 UQ WiMAXでの検証結果。ハイスピードプラスエリアモード(右)図18 UQ WiMAXでの検証結果。ノーリミットモード

検証場所その6:白金高輪の小さな公園

 クリスマスの日の実測の最後の場所となったのは、白金高輪にある小さな公園だ。オフィスビルと高層マンションに挟まれたこの場所は、既に夕闇が迫り始めていた。

図19 白銀高輪の公園 図19 白銀高輪の公園(左)人もまばらな静かな公園(右)HWD14の時計は夕刻を示している
図20 UQ WiMAXでの検証結果 図20 UQ WiMAXでの検証結果。ハイスピードプラスエリアモード

 ここでは、HWD14のハイスピードプラスエリアモードで、この日計測した中での最速となる下り14.12Mbps/上り6.91Mbpsという数値が出た。周囲には人もまばらであり、オフィスビルと高層マンションではモバイルブロードバンドよりも光やADSLなどの固定回線が使われることの方が圧倒的に多いと思われることから、高速でつながりやすいのかもしれない。

検証場所その7:練馬区内の住宅地にある筆者の自宅

図21 筆者の自宅 図21 筆者の自宅。畳の上、木造なので電波の通りはいいはず

 さて、これまではオフィス街や繁華街を中心に計測を行ってきたが、郊外の住宅地で計測するとどの程度の速度が得られるのかも知っておきたい。そこで日をあらめて12月26日に、練馬区の片隅にある筆者の自宅でも計測を実施した。周囲は木造住宅と畑に囲まれており、4階以上の建物はほぼ存在しない。時間は最初に東京国際フォーラムで計測を行ったときと同じ午前11時台だ。

 まずHWD14のハイスピードプラスエリアモードで接続してみると、下り14.07Mbps/上り4.95Mbpsとなった。やはり、人口密度の低さや遮蔽物の少なさが良い方向に影響しているのだろうか。

 お恥ずかしいことにスクリーンショットの保存に失敗してしまい画像は残っていないのだが、HW-02Eでは下り9.82Mbpsという速度を計測している。参考までに、筆者の自宅の通信回線であるフレッツ光ネクストでも計測を行ってみたところ、下り26.25Mbps/上り15.33Mbpsとなった。光ファイバーとしてはちょっと不満足な速度であるが、これまでの数値と比べればさすがに速い。しかしながら、小さなデバイス1つでどこでもネットに接続できるモバイルブロードバンドの特性を考えれば、この速度の差は思いのほか小さいといえるだろう。

図22 UQ WiMAXでの検証結果図23 NTT東日本フレッツ光ネクスト検証結果 (左)図22 UQ WiMAXでの検証結果。ハイスピードプラスエリアモード(右)図23 NTT東日本フレッツ光ネクスト検証結果。PCからはWi-Fi(IEEE802.11n)ルーター経由で接続

 以上で実測検証は終わりだが、「キャリアの発表している数値よりもかなり遅いのでは?」という感想を持った方が多いかもしれない。しかし、最初に述べた通りこの結果はあくまでその日のその場所、そして筆者の環境で得られたものにすぎず、条件が変わればまた大きく違う結果となるはずだ。

 また、計測の合間にブラウジングやメールのやりとりなどを行ったが、3G回線での接続よりもはるかにスムーズであったことは言うまでもない。大切なのは、自社で使いたい場所と時間に平均してどれだけの速度が得られるかだろう。Wi-Fiルーターなどのデモ機を無償で貸し出しているキャリアも多いので、ぜひ一度、実際の使用感覚を確認してみることをお勧めする。

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