ほとんどのツールがアプリケーションで作成されたままの編集可能な文書をそのまま保管できる他、それを自動PDF化して編集できない(コメント付加などは可能)状態にした文書も管理できる。
PDF化エンジンの機能を使ってPDFの裏のレイヤーに情報を貼りこんで全文テキスト検索も可能にしている。編集権のあるユーザーは元の文書にアクセスでき、そうでないユーザーはPDFにのみアクセス可能にするツールが多い。
PDFには印刷抑止、コピー&ペースト防止、パスワードといったセキュリティが個別に設定できるのはご存じの通り。その設定を文書管理ツール側でポリシーに沿って自動設定したり、管理者が個別に設定したりできる。
また、外部で文書を利用する場合、デバイスに文書を保管してよいかどうかも考慮すべきだ。文書管理ツールにはデバイスへの保存ができない閲覧専用モードもあれば、利用可能期間を設定して期限がきたら利用不能にする「有効期限」機能、保存しようとすると内容を隠蔽(いんぺい)してしまう機能(図6)などが盛り込まれている。
なお、モバイル主体の文書管理ツールの主なセキュリティ機能を表1に掲げる。これらの機能は必要最低限といってよいだろう。
経済産業省の「人材を通じた技術流出に関する調査研究報告書(別冊)」(2013年3月)によると、過去5年間に役員、従業員、転退職者、取引先、派遣社員など、人を通じた機密情報漏えいがあった企業は13.5%だ。
機密情報が使いやすい形でまとまる「文書」は、競合他社が虎視眈々(たんたん)と狙う標的になると考えなければならない。業務の利便性を確保しながらも、従業員や退職者、プロジェクトパートナーなどからの情報漏えいを可能な限り防ぐ文書管理の仕組みづくりが今こそ必要だ。
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