文書管理ツールがなくてもファイルサーバやNASのフォルダを上手に使えばグループ内や部門内のアクセス制御やセキュリティを緻密に管理することはできる。しかし、利用ルールの長期にわたる順守は実際的には難しい。往々にして重複文書や用済み文書、不要文書がたまる「無法地帯」になって、文書が探しにくくなってしまうのが常だ。
そんな状況を改善するために文書管理ツールを使う方法もある。ファイルサーバの中身は移行せず、文書管理ツール側で属性管理とアクセス制御を行ってセキュリティ高く利用しやすい仕組みが作れるようになった。社内LAN以外のモバイルデバイスでの文書利用が可能になり、属性検索、全文検索などのように、フォルダによる整理の限界を超えた活用が図れる。
既存ファイルサーバを運用しながら、文書をピックアップして文書管理ツールに登録していけるので、緩やかに、あまりコストをかけずに移行が図れることにもなる。
また、登録作業が不要という意味では、メールの受信と自動フォルダ振り分け、属性追加の機能を追加したツールもある。件名や差出人、宛先などによって分類や属性付与ができるため、個人のメールボックスに埋もれているナレッジを会社の情報資産として活用可能にできるところが魅力だ。
メール同様に情報資産が眠るのがソーシャルツールだが、その利用まではまだ対応できていないものの「ランキング」「フィードバック」機能などソーシャル技術の取込みは始まっており、ユーザーの文書に対する評価として「★」評価を設定したり、コメントを添えることができるものがある。多く検索された文書の中から役に立ちそうなものを選ぶ際には重宝しそうだ。
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