前述したように入退室管理システムはセキュリティ面の用途だけでなく、個人が特定できるなどの特性を生かしてさまざまな用途にも活用されている。そのうちの2つを紹介しよう。
地震や火災などの災害発生時に、避難せずに施設に残されている人間の安否確認が行える。災害発生時のログが収められたノートPCを持ちだして、避難所で点呼を行うなどして、迅速な状況把握とその後の対応につなげられる。
高層ビルのオフィスなどでは、出勤時間や昼休み時間の前後にエレベーターホールが人で渋滞するといったケースが多々ある。そこで、入退室管理システムがキャッチしたICカードの情報をエレベーターシステムに伝え、自動的に搭乗するエレベーターを割り当てることで、ホールで人が混雑しないようエレベーターを運行させるソリューションも登場した。
例えば入退室管理システムが持つ通行者の行き先情報を使って、行き先ごとに乗るエレベーターを分散させるといったことが行われるのだ。ある企業では、このシステムの導入後に出勤ラッシュ時のエレベーターの輸送人数が15%も増加したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。