ソフトウェア地図の利用で期待できる主な効果は次のようにまとめられる。
また業務ロジックの複雑度の計算、可視化技術では、次のようなメリットがある。
現在のところ、これら技術の対象言語はCOBOLのみではあるが、富士通では今後、JavaやCでも同様の分析技術や可視化技術を開発する考えだ。同社内の多言語、多業種の業務システム分析にソフトウェア地図と業務ロジックの複雑度判定技術を適用して検証した上、2016年には実用化を目指す。ITモダナイゼーションを目指す企業は要注目だ。
レガシーシステムに新しい機能性を付け加えたり、再構築したりして、新技術や新デバイスなどに対応できる「近代化=モダナイゼーション」を実現する取り組みのこと。
従来のレガシーマイグレーションは、「リライト(言語の変更)」「リホスト(言語を変更せずオープンシステム版に移行)」「リビルド(再構築)」「リプレース(SaaSやパッケージなどへの切替)」が主な手法だったが、さらに現行システムにあまり手を付けずに行う「リインタフェース(Webシステムによる画面ラッピングなど)」「リファクタ(改修)」、あるいは「リドキュメント(ドキュメントの作り直し)」「リラーン(再学習)」といった手法を加えて、このキーワードでくくることが多い。
「ソフトウェア地図」との関連は?
ITモダナイゼーションの手法を選び、実行対象のアプリケーションを決め、その中のプログラムの着手優先順を決めるためにソフトウェア地図が有効に働く。機能コンポーネントごとの業務ロジックの複雑度(重要度と強い関連がある)を発見し、優先順位を付けて取り組める。
ソースコードを解析して、サブシステムやモジュールを分類したり、処理の流れをチャート化したりして、開発者や運用管理担当者に理解しやすくするツール。有償のものが国内ベンダーからも提供されるが無償ツールもある。
「ソフトウェア地図」との関連は?
ソフトウェア地図も同様の技術を応用するが、個々のプログラムを対象にすることが多いコード自動解析ツールよりも、より抽象化レベルの高い、俯瞰的な視点からの分析を行える。大規模なレガシーシステムの分析への第一歩として、初期分析に利用すると効果的だ。
業務ロジックを構成しているたくさんの「ルール」を「決定表(デシジョンテーブル)」の形でまとめ、管理、実行するシステム。アプリケーションの機能を変更したいと思ったら、決定表のルールを書き換えるだけで、アプリケーションがそのルールを踏襲して機能を変える。
「ソフトウェア地図」との関連は?
BRMSのメリットとして業務ロジックの可視化、ビジネス変化への対応力、開発短期化などが挙げられる。ソフトウェア地図は、プログラム内にハードコーディングされたルールを抽出して複雑度判定に利用し、親和度が高く、類似したメリットを持つ。BRMS適用が可能なアプリケーション最適化を目指す一歩としてソフトウェア地図や業務ロジックの複雑度可視化技術は役立ちそうだ。
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