BYODにおいて忘れてはならないのが通話料金の振り分けだ。最近では“かけ放題定額”などのサービスなど新たな音声ソリューションが登場した。音声系BYODの最適解に迫る。
アプリケーション系のBYOD実装について見てきたが、特に個人利用と企業利用を分ける必要のある大きな部分に、音声通話の機能がある。ここについても、個人と企業を分けるための仕組み作りを検討しておく必要がある。最近では各携帯キャリアの“かけ放題定額”などのサービスもあり、その辺りも含めた新たな考え方も登場してきている。BYODを実現する際の音声系の具体的な仕組みについて紹介する。
私物端末を仕事で使う際には、仕事で客先に電話をかけたときの電話代とプライベートで使用する電話代をしっかり分ける仕組み作りが本来欠かせない。実際には幾つかの方法があるが、特にBYOD環境を整備する際に適した方法を紹介する。
ただし冒頭でも触れた通り、最近は各携帯キャリアから「かけ放題プラン」が登場しており、個人で契約している人は業務利用と個人利用を分ける必要がなくなりつつある。それでも、個人の番号を取引先に知られることなく電話が使える仕組みという観点でも、個人と会社を分ける音声系のサービスについてしっかり理解しておくべきだろう。
端末側に特別な設定をすることなく、電話をかける前に「0035」など4桁の数字を付加するだけで、ビジネス利用として請求を分けることが可能なサービスだ。ただし、法人と個人の請求をきちんと分けることができるようになるものの、個人が所有するスマートフォンの電話番号が相手側に通知されることになり、相手に個人の番号が知られてしまう。また、仕事先と個人で共通の電話帳を使うことになり、管理しづらい面もある。確かにシンプルな方法ではあるが、BYODという観点でみれば最適な方法とは言いがたい。
IP網を利用するIP電話専用のダイヤラーをスマートフォンにインストールし、業務用に使うサービス。プライベートな電話は従来通りスマートフォンに用意されているネイティブのダイヤラーを使うことで、法人と個人を分けることができる。IP電話の場合は050の専用番号が用意されることになり、個人の番号を相手に知られることもない。仕事で使う専用の電話帳も用意可能だ。音声品質を高めるため、ダイヤルする際にパケットを使うIP電話網と公衆電話網を選択できるサービスを提供しているところもある。
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