グループウェアが使われない理由として、そもそも経営トップが使っていないという点を挙げたが、その背景には「テキスト入力の負荷」というハードルがあることも否めない。
そこで現在提供されているクラウド型グループウェアの中には、利用者がより簡単に自分の意思を伝えるための工夫として、Facebookのような「いいね!」ボタンを設置して、よりライトなコミュニケーションから始められるようにしているサービスがある。
現在ではこの機能がさらに進化して、ユーザーのリアクションの種類(=リアクションの初期値)をプルダウンメニューから選択して設定できるようになっている。具体的には「確認しました」「了解です」「よろしくお願いします」といった反応で、もちろんテキストでフリーコメントを入力することも可能だ。
当然スマートフォンやタブレット端末からの操作もできるので、時間のない経営トップでも、画面上のボタンを押すだけで「従業員の成果を確認、把握している」という意志表示ができるようになる。
ここで紹介するのは社長自らが積極的にグループウェアを率先して活用している企業の事例だ。
これまで電動工具や作業工具などのDIY工具を対面販売していた大都では、家業を継いだ社長がEC事業への転換を打ち出し、通販サイトを立ち上げた。しかし全く新しい業態へのシフトだったため、従業員には大きな戸惑いがあったという。
そこで社長自身がグループウェア上で日記を書き、それを読んだ従業員に「いいね!」ボタンを押してもらうことで「感情の共有」を図った。また、さまざまなアイデアや施策に関する従業員の意見を聞く際にも“いいね!”ボタンを利用し、意識の共有を図っているとのことだ。
こうした機能を活用することで少しでもグループウェアに触るハードルが下がれば、グループウェアの社内利用はどんどん広がっていき、単なる情報だけでなく、感情までを共有することが可能となる。ひいてはそれが企業の風土作りにもつながっていくだろう。
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