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IoT連携でCRMをどう使う? CRMの基礎知識と最新事情IT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年02月01日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]
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Machine Learningによる分析機能の強化

 ここ数年の間に、FacebookやTwitterなどソーシャルメディア上にあるさまざまな声を集め、分析することで関係を築くことができる機能がCRMに取り込まれている。最近ではMachine Learningを使って得られた情報から感情を分析し、新たな気付きを与えてくれる機能を備えたものが登場している。

 例えば、マイクロソフトが提供するCRMソリューションの1つである「Microsoft Social Engagement」では、ソーシャルメディアに寄せられた声の感情を分析し、役立てることが可能だ。ポジネガ分析のように、実際のユーザーがどのような心理状態なのかを類推し、次のアクションにつなげることができるようになっている。顧客理解のために役立つCRMの世界にも、Machine Learningの波が押し寄せつつある。

感情分析画面 図5 感情分析画面(出典:日本マイクロソフト)

アクションにつながる営業戦略

 以前に比べてより多くの情報がCRM内に蓄積され、その分析機能の進化も著しい。ただし、機能的に分析は可能であっても、その結果をビジネスにうまく活用するとなると難易度が上がる。社内に分析専門のデータサイエンティストがいればよいが、いない場合は社内で育成していくか、外部から人材を採用していく必要があり、迅速なデータ活用は困難だ。

 そこで、分析機能から予測された情報を分かりやすいビジュアルで表現し、次のアクションにつなげていくための仕組み作りが積極的に行われている。

 例えば日本オラクルが提供する「Oracle Sales Cloud」では、予測精度を向上させたアナリティクス機能を活用し、顧客や製品ごとの軸で売れ行き状況を可視化し、どこに営業をかけていくべきなのかがビジュアル的に分かる「ホワイト・スペース分析機能」を提供している。次の攻め手が明確に把握できるため、アクションするための材料として有効に活用できるようになる。

ホワイト・スペース分析画面 図6 ホワイト・スペース分析画面(出典:日本オラクル)

IoTからIoCへ、センサー情報の活用基盤へ

 さまざまなデバイスに蓄えられた情報をインターネットを介して収集するための基盤となるIoTは、現在大きなビジネスの潮流となっている。さまざまなモノがインターネットにつながることで、これまで得られなかった情報がCRM内に蓄積されるようになり、新たな顧客との関係を作り出すことも可能だろう。既にIoTとCRMとの連携をソリューションとして提供しているところもある。

 例えばセールスフォース・ドットコムでは、「Salesforce IoT Cloud」を発表した。これにより、セールスやサービスと連携させながらさまざまなセンサーデバイスからの情報を活用することが可能になる。

 同社ではIoTの先にある「Internet of Customers(IoC)」を提供しており、予防予知や保全、遠隔監視、制御など、さまざまな分野での応用が期待されている。これはCRMに限った話ではないが、これまで以上に情報が集まることで、新たな顧客満足度向上のための施策が分析から得られる可能性もある。

IoTの画面イメージ 図7 IoTの画面イメージ(出典:セールスフォース・ドットコム)
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