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今さら聞けない、クラウド、オンプレ、仮想化混在時代の統合運用管理IT導入完全ガイド(2/3 ページ)

» 2016年02月15日 10時00分 公開
[吉村哲樹オフィスティーワイ]

ネットワーク仮想化への対応にも注目

 少し前まで、仮想化といえばサーバ仮想化のことを指していたが、ここ数年の間で仮想化技術の波はサーバのみならず、ストレージやネットワークの世界にも及んでいる。仮想化ソフトウェアベンダーやネットワークベンダーが中心となり、ネットワーク仮想化技術の開発と実用化が進められてきた結果、それまで物理ネットワーク機器と強固に結び付いていたネットワークインタフェースを仮想化、抽象化し、仮想サーバと同じように柔軟に運用できるようになってきた。

 これにより仮想化技術のメリットは一段と増したが、同時にネットワーク管理のスキームもこれまでとは大きく様変わりした。ネットワークリソースとサーバリソースがほぼ同一水準で管理できるようになったことで、これまでネットワーク管理には一切関与しなかったサーバ管理者が、ネットワークも管理する必要性に迫られてきたのだ。

 最新の統合運用管理製品はこうした動きを見越し、仮想化されたネットワークリソースを一元管理できる機能を備えている。例えば、富士通が提供するプライベートクラウド向け運用管理ソフトウェア「FUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator」は、仮想、物理サーバの一元管理はもちろん、物理ネットワークと仮想化された業務ネットワークとの間の対応を分かりやすく可視化する機能を備えている。

プラットフォーム可視化 図3 仮想、物理環境における業務視点でのプラットフォーム可視化(出典:富士通)

今後は多くの企業でハイブリッド環境が標準に

 近年多くの企業で、システム運用管理の新たな課題として持ち上がっているのが、クラウド環境の管理だ。「クラウドファースト」というキーワードに代表されるように、システムを構築する際、オンプレミス環境ではなく、まずは真っ先にパブリッククラウドのIaaS環境をシステム基盤として検討する企業が増えてきた。

 とはいえ、企業システムの全てをパブリッククラウド上で運用するというのは、多くの企業にとって現実的ではない。やはりミッションクリティカルな基幹システムは手元のオンプレミス環境に残したいというニーズが依然として根強い。従って、ほとんどの企業ではオンプレミスとクラウドのハイブリッド環境が現実解となるだろう。

 その際、オンプレミスとクラウドの運用管理を別々に行っていては手間が増すばかりだ。従って、この両者をいかに効率的にまとめて管理できるかが、クラウド時代の新たな課題として持ち上がってきている。

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