期待して導入したグループウェア。しかし、利用されなかったら、無駄な投資になることはもちろん「がっかり感」が現場に残ってしまう。今回はグループウェアの導入や利用で、ありがちな失敗事例を紹介する。
あなたの会社に導入するとさまざまなメリットをもたらすはずのグループウェアですが、何も考えずに導入しただけでは活用しきれずに終わってしまう場合もあります。そんな場合でもクラウドタイプのグループウェアであれば、使用をやめればその期間の使用料で済みます。しかし無駄な投資はもちろんですが、導入してうまくいかなかった「がっかり感」あるいは「手間をかけたのに」という気持ちが現場に残るのは避けたいですよね。
今回は、グループウェアの導入や利用に当たり、ありがちな失敗事例を紹介します。事前に知っておくことで、最適な導入や運用方法を検討しましょう。
ネガティブ言葉ばかりが並んでしまいましたが、このあたりがグループウェア導入失敗の代表例です。
(1)導入目的が曖昧で「宝の持ち腐れ」に
一番ありがちな失敗事例でしょう。トップが「何だかグループウェアがいいみたいだからウチも」と何となく考えて導入するパターンです。そもそも目的が曖昧なので、自社にどんな機能が必要なのかを深く考えず選んでしまい「導入したのはいいけれど、何に使うんだっけ」と、活用されないままになっている例です。
そうならないためには、「グループウェアを導入して何に活用するのか?」ということを導入責任者が明確にして、「そのためには最低限どんな機能が必要なのか?」を確認しておくべきです。
(2)使わない機能ばかりに懲りすぎて結局「コスト高」に
自社の規模や導入目的を考えず、どんどん便利な機能をオプションで選択してしまい、結局使わないばかりか導入費用が高くついてしまうことがあります。パッケージタイプだと大きな損失につながりますし、クラウドタイプであっても、2年、3年と使えばどんどん費用がかさみます。
そうならないためには(1)と同じく、導入の本来の目的や自社の規模を確認することが第一です。その上で「まず最低限必要な機能は何か」ということを調べた上で、現場のフィードバックを受けて、「さらに必要な機能は何か」を導入責任者が見定めましょう。そしてコストを考えながら、少しずつ機能を増やしていくことをお勧めします。
(3)導入目的が共有されておらず「笛吹けど踊らず」状態
トップが意気込んで導入し、目的が明確だったとしても、目的がメンバーに共有されていないと「覚えなくてはいけない面倒なこと」と取られてしまうかも知れません。そうするとせっかく導入したのに、活用する人間と活用できない人間に分かれてしまい、「情報共有」のために導入したはずが意味がなくなってしまいます。
そうならないためには、導入責任者が「導入するとそれぞれの業務が楽になるよ」ということを啓発する必要があります。メンバーの中で理解の早い人がいれば、そういった人にどんどん便利さを社内に広げてもらう「エバンジェリスト」のような役割になってもらい、使い方を広めてもらうのも1つでしょう。
(4)現場の反発によって「逆効果」に
(3)にも共通しますが、今までやってきた自分のやり方を変えたがらない、「新しいことを覚えるのが面倒」というメンバーは必ず社内にいます。そういうメンバーはそもそもデジタルツールに苦手意識があることが多く、「使い勝手が悪い」「不具合が起きた」「今までのやり方で問題ない」などと声高に反発しがちです。これでは社内のコミュニケーションの良化、風通しの改善と考えていた導入者にとっては「逆効果」になってしまいます。
そうならないためには、現場の人間にあらかじめ「お試し」ができるグループウェアを選定し、そこで使い勝手を試してもらうことでしょう。さらに、外回りの営業などにスマートフォンや携帯電話などのモバイル端末で活用しやすいものを提案し、「仕事が楽になる」などとメリットを感じてもらえると効果的かもしれません。
クラウドタイプのグループウェアであれば、これら失敗例に近いような状態になっても切り替えが可能ですから、まずはクラウドタイプの「お試し」から始めるのがいいでしょう。
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