「顧客」なしにビジネスは存在しません。CRMは顧客との関係を重視したマネジメント手法を意味し、多くの企業が積極的に活用する。CRMの基本がしっかり理解できるように分かりやすく説明します。
「顧客」なしにビジネスは存在しません。どんなビジネスにおいても、その製品やサービスを利用、購入してくれるお客さまの存在は何より重要なものです。CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理または顧客管理)は、顧客との関係を重視したマネジメント手法を意味し、多くの企業が積極的に活用しています。
一方で、CRMという言葉は聞いたことがあるものの、実は「イマイチ意味が分かっていない」「今さら人に聞きにくい」と思っている人も少なくないのではないでしょうか?ここではCRMの基本がしっかり理解できるよう、分かりやすく説明します。
CRMとは、情報システムを利用して顧客と良好な関係を構築・維持し、企業の収益を最大限にするための取り組みです。
情報システムの普及により、顧客と企業との接触方法は大きく変化しました。従来は営業担当による訪問や電話が中心でしたが、最近ではメールやWeb、SNS、モバイル端末の利用など手法が多様化しています。こうした「アプローチのIT化」により、顧客との接触履歴や購買履歴、詳細な属性情報、問い合わせやクレーム情報などを記録、蓄積、管理できるようになりました。
このような情報管理に利用されるのが、CRMシステム(顧客管理システム)です。それでは、「企業が顧客情報を管理すること」によってどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず顧客が「いつ、何を、幾つ、いくらで購入したのか」などの情報を把握することで、その顧客から購入した商品やサービスに関する問い合わせやクレームがあった時に速やかな対応が可能となります。また迅速で適切な対応は顧客に良い印象を与え、満足度が向上するので、顧客との間に良好な関係を築く事につながります。企業や製品に対する満足度が高ければ、次の買い替え時や追加購入時、あるいは別の商品を購入する際にも、「この会社の製品を買おう」と検討してもらえる確率が上がります。
また、CRMシステムの利用により、顧客情報を分析、社内の全ての部署で共有し、効率的に活用することが可能になります。以前は各部署でバラバラに管理していた顧客に関するさまざまな情報をまとめて管理できるので、各顧客の状況も分かりやすくなります。
例えば「商品Aを買った人は商品Bも買う傾向がある」という分析データがあれば、それぞれの顧客にあった商品を個別にお勧めするといった効果的なマーケティングが行えます。自分が関心のある商品を勧めてもらえるので、顧客にとってもメリットがあります。また、これらの施策は既存の顧客に対してだけでなく、同じような属性や関心を持つ「見込み客」に対するアプローチにも活用できます。
最後に、CRMシステムと合わせて取り上げられるのがSFA(営業支援システム)です。従来は分かれたシステムでしたが、近年ではその境目は曖昧になり、SFAがCRMの一環として扱われる場合もあります。主な機能に違いについては別途解説したいと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。