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企業向け「名刺管理ツール」の基礎知識、社内に眠った情報資産を宝に変えるには?IT導入完全ガイド(1/5 ページ)

日本においてビジネスに欠かせない「名刺」。長らく名刺は受け取った社員個々で管理するのが一般的だった。名刺を企業内で有効に使える情報として活用する「名刺管理ツール」が注目される。

» 2016年04月04日 10時00分 公開
[二瓶 朗グラムワークス]

 日本においてビジネスに欠かせないアイテムである「名刺」。長らく名刺はそれを受け取った社員それぞれで管理するのが一般的だった。しかしそんな名刺を企業内で有効に使える”情報”として活用する「名刺管理ツール」が近年注目されている。

 今回は「名刺管理ツール」が一体どのようなものなのか。基本機能や利用メリット、活用シーンなどの基礎情報を分かりやすく解説していこう。

企業でこそ使える「名刺管理ツール」とは

 従来、名刺管理ツールというと「名刺に含まれている文字情報を抽出してデータとして整理するツール」として認識されてきた。ビジネスで名刺をやりとりするユーザーが、パッケージソフトを購入し、光学スキャン+OCRまたは手入力によって名刺をデータ化するのが常だった。

 しかし、2007年にSansanがネットサービスとして名刺管理ツールの提供を開始すると、数年でユーザー数が急拡大した。その理由の1つに、ほぼ同じタイミングでビジネスツールのクラウド化が進んだことがある。

 それより大きかったのは、同社の提供したサービスが従来のパッケージソフトが備えていた以上の機能を提供したからだ。名刺管理ツールは「名刺情報を企業収益の向上に役立てるソリューション」へと進化したのだ。

 名刺管理ツールが認知されるにつれ、多くの企業が同サービスに参入することとなり、市場規模は年々大きくなっていった。2009年に3.7億円規模だった市場は2013年には22.4億円となり、2018年には58億円を超えると予想されている(図1)。

図1 名刺管理ツールの市場予測 図1 名刺管理ツールの市場予測(出典:シード・プランニング)

 多くの企業が参入し、多種多様な名刺管理ツールが登場したため、名刺管理ツールはかつてのパッケージソフトから大きく変貌を遂げた。単純に「名刺を管理」するだけではなく、CRMやSFAなどと連係した「顧客管理ツール」として活用されたり、SNSにあるコミュニケーションツールとしての要素も持ったりするようになった。

 また、マーケティングや顧客データベースとしての機能も持ち、それらのデータを作成するOCRビジネスを下支えする存在にもなっている(図2)。パッケージソフト時代には名刺データは個人が管理するのが普通だったものが、企業向けサービスとなり、名刺データを一括管理、共有して業務に活用できるように進化したのが現在の名刺管理ツールだ。

図2 企業向けサービスとして進化した「名刺管理ツール」 図2 企業向けサービスとして進化した「名刺管理ツール」
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