「CRMを導入すると、実際にどんな課題が解決できるのかが分からない」という人のために、CRMが解決できる課題の中から、幾つか代表的なものを取り上げて紹介する。
CRM(顧客管理)システムは、営業支援、マーケティング支援、顧客サポート支援、ワークフロー管理などのさまざまな機能により、業務プロセスを改善し、企業側だけでなく顧客側にも多くのメリットをもたらします。
とはいえ、「CRMを導入すると、実際にどんな課題が解決できるのかが分からない」という人も少なくないでしょう。今回はCRM導入によって解決できるさまざまな課題の中から、幾つか代表的なものを取り上げて紹介します。
顧客リストが統一されていない
顧客リストが組織的に管理されていないと、複数の営業担当者が同じ顧客にアプローチしてしまう、入力が二重、三重に行われ、どれが最新か分からない、データが重複しているなどの問題が発生します。
CRMでは顧客情報が一元管理できるので、データの重複入力がなくなり、無駄な手間が省けます。またコンタクト履歴も残るので、顧客に「御社の営業ならもう別の人が来たよ」といわれる事態を回避できます。
営業担当者が退職してしまうと、引き継ぎが大変
顧客とのやりとりを残していないと、営業担当者が退職などして新しい担当者に変わったとたん、せっかく築いた顧客との関係がまたゼロに戻ってしまいます。例えばその顧客からクレームを受けていたのを知らずにコンタクトを取り、相手の不興を買ってしまうといった事態も起こり得ます。また担当者が辞めてしまうと、受注に至らなかった顧客情報は全て捨てられてしまいます。
CRMでは顧客とのやりとりの履歴が全て残せるので、次の担当者への引き継ぎもスムーズに行えます。クレームがあった場合も履歴からその理由分かります。
過去の営業履歴が分からない
Excelによる案件管理の欠点は、更新履歴が分からないことです。シートでは受注できた、できなかったという結果は分かるものの、その結果に至るプロセスが不明だと、次の営業活動に生かすことができません。受注にいたったいきさつ、至らなかったいきさつを蓄積、分析することが、受注の確率の上昇にもつながります。
営業とカスタマーサポートで情報が共有できていない
「その件はもう何度も話していますよ」といった苦情を顧客から受けたことはありませんか?営業やカスタマーサポート、開発など、社内の異なる部署間で情報が共有されていないと、このようなトラブルが起きがちです
CRMを導入すれば、顧客とのやりとりは常に記録、蓄積され、社内の誰もがいつでも、またモバイルデバイスによってどこからでも確認することができます。
報告書をまとめるのが大変
多くの企業が日報や週報、月報の形で、営業担当者に報告を義務付けています。一般に営業担当がExcelで作成した報告書をマネジャーが管理用ドキュメントに転記、それをさらに上層部向けの報告書に転記するという、同じ情報が何度も入力されるパターンが多いため、時間と手間がかかるだけでなく、情報の抜けも起こりがちです。
CRMはモバイルデバイスからも利用できるので、営業担当者は現場からリアルタイムで案件の進行度合いを報告できるうえ、マネジャーがあらためて報告書を作成する必要がなくなります。
今回は、CRM導入によって解決できる主な課題を紹介しました。このような課題の中で幾つかが当てはまるようであれば、CRMシステムの導入を検討することをお勧めします。
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