ビジネスのデジタル化が加速し、企業はより正確で素早い意思決定が必要となった。AIを活用する次世代型ERP製品として「HUE」と「SAP S/4HANA」を紹介しよう。
ビジネスのデジタル化が加速し、企業はより正確で素早い意思決定が必要となった。基幹業務システムとして利用されるERPにも、処理速度を高めビジネスのスピードアップを支援することが求められている。このような背景から人工知能を活用する次世代型ERPが登場。本稿では、代表的な製品としてワークスアプリケーションズの「HUE」とSAPジャパンの「SAP S/4HANA」を取り上げ、その特徴とユーザーメリットを紹介したい。
ユーザー企業のビジネスにとってITは必要不可欠な情報インフラとなっている。だが同時に、ユーザーの利便性向上とITコスト削減という慢性的な課題に悩まされている。ERPを使うことで業務は本当に楽になるのか、それは働き方の変革にまで寄与するものなのか。
ワークスアプリケーションズが2015年12月にリリースした「HUE(ヒュー)」は、あたかもコンシューマー向けIT製品のようなユーザビリティとスピードを提供することを目的として開発されたマルチクラウド対応型次世代ERP製品だ。「0.1秒」という応答時間は、エンドユーザーの生産性を大いに高める可能性を感じさせる。
また、企業は生き残りをかけて新たなビジネスモデルを創出したり、既存のビジネスモデルを変革したりする必要に迫られている。そのためには従来型の記録のためのシステムだけでなく、社内外のコラボレーションを支援する、あるいはソーシャルメディアなどからの非構造化データまで取り込めるような仕組みが必要だ。いわゆる「システム オブ レコード(SoR)」から「システム オブ エンゲージメント(SoE)」への変化だ。
「SAP S/4HANA」は、SAPが23年ぶりにアーキテクチャを刷新して生まれた次世代ERP製品だ。同社はデータベース構造から見直しを図り、インメモリデータベース「SAP HANA」に最適化したことでデータの処理速度を高めた。またユーザーインタフェースとユーザーエクスペリエンスにも大きく手を加え、機械学習エンジンとも連携することで操作画面は単なる入力ツールではなくなった。そこでは常にリアルタイムな情報が提示され、ユーザーにさまざまな気付きを与える。ERPの画面を起点として次のアクションを起こせるだろう。
それでは各製品の具体的な特徴を見ていこう。
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