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メール誤送信防止システムの導入状況(2016年)/後編IT担当者300人に聞きました(4/4 ページ)

» 2016年06月02日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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メール送信前の確認が形骸化してしまうリスク

 「メール誤送信防止システム導入後の課題」について尋ねた(図4)。その結果、「特に課題を感じていない」が43.4%でトップなのは何よりだが、「送信前の確認が形だけになっている」が29.5%で2番目に来ていることは、先ほど引用したフリーコメントの指摘を如実に表現している。

 また、3、4番目の「作業負荷が高まった」(24.0%)、「業務効率が悪くなった」(21.7%)については、導入後の効果とのトレードオフで考えるべき点であり、ここでは問題にすべきではないのかもしれない。

『メール誤送信防止システム』導入後に課題となっている点(複数回答) 図4 『メール誤送信防止システム』導入後に課題となっている点(複数回答)

 前編では、「IT製品関連業は、他業種に比べて情報漏えいに対する意識が高い」「中小企業を中心に、『メール誤送信防止対策を強化したい』と考えてはいても、実際には『対策できていない』企業が多い」といったことがうかがえた。

 さらに後編では、せっかくメール誤送信防止システムを導入しても「ポップアップが出るだけで、送信ボタンを押せば送信できてしまう」「通信内容に関係なく同じ手続きが要求される」といったコメントに代表されるように、送信者の意識や使い方で効用が大きく左右されてしまう現状が明らかになった。

 メール誤送信防止システムが業務に致命的な影響を与えてしまっては本末転倒であるが、メール誤送信防止システムの有効性を高めるため、人為的な原因を排除するためには、システム側の機能であれ運用の仕組みであれ、社員の意識改善が必要といえそうだ。

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