メディア

2016年、データベースを見直すならチェックしておきたい技術トレンドIT導入完全ガイド(3/4 ページ)

» 2016年06月13日 10時00分 公開
[宮田健キーマンズネット]

置き換えて高速化か、構成チューニングで高速化か

 ディスクアレイの置き換えとしてオールフラッシュアレイを採用する場合は、ストレージを置き換えるだけである程度の性能向上を期待できる。バッチ処理のような繰り返し処理が多い場合には、さらにプログラムの並列化でさらに高速化する可能性もある。

 

 一方、PCIeやDDR4といったバスを利用する構成を検討する場合は、データベースソフトウェア側のパラメータやアプリケーション側のチューニングで、キャッシュやメモリの使い方を見直すことで性能が高まる可能性がある。また、これらを組み合わせる場合は、高速化が必要なデータのみを高速なストレージで処理し、普段アクセスしないデータは既存のHDストレージに置くなど、情報の使い方によって置き場所を精査する「データ管理」が必要になってくるので、採用と併せて構成の検討が必要になるだろう。

コラム:揮発しないメモリ「メモリスタ」の普及はいつ?

 現在のメモリ技術は記憶素子の特性から、電源が落ちてしまうとデータが消えてしまう(揮発性)ため、常に電力を供給しなければならない。このため、メモリ上にデータを展開するインメモリ型データベースで利用するメモリでは、データを保護するために3重化したり、ディスクストレージを併用したり、あるいはデータ保護用の電力供給方法を確保したりしている。

 メモリが持つ揮発性というリスクを解消すべく、現在、米HP Labs、サンディスク、日本のパナソニックなどを中心に、耐久性にも優れた不揮発性の素子「メモリスタ(memristor)」の実用化に向けた研究が進んでいる。2020年ごろには製品化が予定されているという。不揮発性で高速、低消費電力のストレージとしても応用できるため、将来のデータベース技術では、このような不揮発で高速大容量なメモリ技術も注目されるだろう。

メモリスタのイメージ 出典 米HPE メモリスタのイメージ (出典:米HPE)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。