KeyConductors
2020年に向けて進化するデジタルサイネージ
「Interop Tokyo」で語られたデジタルサイネージの在り方。日本へ数々の来訪者が予想される中、一体どのような使い方がされるべきか。
2020年の東京で開催される世界的なスポーツイベントに向けて、デジタルサイネージの在り方が、「Interop Tokyo」の基調講演で語られた。デジタルサイネージとは、街で見かける液晶ディスプレイなどの映像装置で、ネットワーク接続され、情報配信ができるもののこと。このデジタルサイネージはこれからどのように進化するのだろうか?
スタンドアロンからネットワークメディアへ、広告メディアから多目的メディアへ
登壇者は、デジタルサイネージコンソーシアム事務局の石戸 奈々子氏を司会役に、デジタルサイネージの政策を推進する総務省の山田 真貴子氏。そしてデジタルサイネージにいち早く着目し、業界団体、デジタルサイネージコンソーシアムを設立、現在は学び領域での新ビジネスを行うドコモgaccoの伊能 美和子氏の女性3人だ。
まず山田真貴子氏が2020年に向けた社会全体のICT化のアクションプランの概要を説明した。
デジタルサイネージはパブリックインフラ、スマートパブリックインフラという位置付けで、社会全体に行き渡らせるべく、現在、政策が進められている。この中で先行して行われているのが、都市サービスの高度化と高度な映像配信サービスだ。山田氏は、「デジタルサイネージが有効な総合情報通信サービスとして進化し、街に普及する姿を描いています」と話す。
そして、目指すところは下記の3つだ。
- 災害情報等の一斉配信サービスの対応
- 個人属性に応じた情報提供(多言語、IoTおもてなしクラウドなどへの対応)
- 4K/8K高度な映像配信・パブリックビューイング
しかし現在のデジタルサイネージはそれぞれ仕様が異なり、相互連携が困難。タブレットやスマートフォンなど、多様なデバイス間の連携や、個人に最適なサービス提供が重要だと考える。そのため2016年4月に「デジタルサイネージ標準システム相互運用ガイドライン1.0版」を公表。共通仕様により利便性の向上を図った。
また相互連携のためにWebベースサイネージを提案。Web-based Signage WG(Working Group)の設立に向けて尽力するとともに、国際標準化を見据え、ITUには日本より勧告化作業の開始を提案し、了承をもらっている。勧告化は2018年までを目指し、国際競争力強化に努める。※ITU=無線通信・電気通信において各国間の標準化を確立する国連の専門機関。
山田氏は「デジタルサイネージとスマートフォン、あるいは交通系ICカードを連携させ、共通クラウド基盤に接続。インバウンドも視野に、移動、ショッピング、観光など、外国人がどこでも1人で自由に歩ける環境を、IoTで作っていこうと考えています。デジタルサイネージを活用した高度な映像サービスの実現に向けて、映像配信プラットフォームの推進体制も整備中です。いずれも今季、秋以降に複数箇所で実証を予定。デジタルサイネージで街中が明るく、また便利になる。そういう2020年を目指していきたいです」と語った。
デジタルサイネージの普及に向けた3つの標準化
そして自身の専門でもある人材育成については、デジタルサイネージのメディアデザインに関する専門家の育成や認定の必要性を語った。
「デジタルサイネージは導入したものの、入れっぱなしという状況が多いです。人はどの距離から見るのか、向きはどちらであるべきかなど、デジタルサイネージをデザインしていく専門家の育成が必要。そのためサーティフィケーション部会を立ち上げました。メディアデザイン全般をいろんな観点で理解している人材育成のために、学習プログラムや認定プログラムなどの提供、資格認定の実施などを実践していきたいと考えています」
伊能氏は、デジタルサイネージを支える人材として、市民の理解が必要だとも言う。そのためオンラインの市民講座の開講を考えていると、今後の展開を述べた。
最後は女性3人の対談となり、石戸 奈々子氏の質問に山田氏と伊能氏が回答する形で進行。
「2020年にデジタルサイネージでどのような東京でありたいか」という石戸氏の質問に対して、山田氏は「大量のデジタルデータを自由に共有できることが、東京の街の魅力を高めること。2020年のオリンピック・パラリンピックでは、さまざまな人が東京を訪れます。その中には車イスの人や視覚障害者の人もいるでしょう。そういった方々にも、電車に乗るためのナビゲートや、盲導犬と一緒に入店できるレストランの紹介など、パーソナルな情報を提供できれば。言語や障害などにとらわれず、安全に自由に楽しめる街を実現していきたい。その中心にデジタルサイネージがあり、ワクワクする情報や便利な情報を提供してくれる。そんな姿になると、東京の便利さや魅力が高まると思います」と答えた。
一方、伊能氏は「一般の人がどれだけデジタルサイネージに親しめるか」の石戸氏の問いに対して、「街の人に愛される伝言板の用途として使われると良いと思います。例えばネコがいなくなった情報や、売ります、あげますといった街の情報誌的役割。デジタルサイネージをC to Cでも活用できる。そんなみんなのものにしたいです」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Gemini Notebook」になって何が変わった? NotebookLMからの変更点をおさらい
-
2
神戸市、Copilotの弱点を「Dify」でどう解決? あえて自前でAI環境を構築した理由
-
3
Windows更新後、ローカルサインインも不能に Microsoftが定例外更新で修正
-
4
入社2年目で月40時間削減 楽天モバイルがAIに任せなかった仕事とは
-
5
ゼロから分かる「Python in Excel」 プログラミング未経験の筆者がデータ分析してみた
-
6
AI議事録は「文字起こし」で選ばない 表で分かる「Notta/AutoMemo/AiNote」の特性
-
7
Googleの自動化ツール「Workspace Studio」×Gemini、4つの業務効率化アイデア
-
8
生成AIで減る作業時間、残る確認と責任 ITエンジニア1265人調査
-
9
7歳からのLinux愛好家が、なぜ今「Windows」に? OSの見方が変わった理由:896th Lap
-
10
そのFTP、止めて大丈夫? 「古いファイル転送」を残すか見直すか
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー