どれほど素晴らしい機能を備えていてもコストに見合った成果の出ないSFAを選択すべきではない。SFAシステムを導入する際にコスト面で注意すべき点は何か。
CRM(顧客関係管理)システムの導入を検討する時と同じく、SFA(セールスフォースオートメーション=営業支援)の導入時にもコストの比較、検討は不可欠です。どれほど素晴らしい機能を備えていても、コストに見合った成果の出ないSFAを選択すべきではありません。極端な例を挙げれば、ユーザー数が少ないのに、多機能な大企業向けSFAを導入しても、宝の持ち腐れになるだけです。
今回は、SFAシステムを導入する際にコストの面で注意すべき点は何か、重要なポイントを幾つかか挙げてみたいと思います。
まず重要なのが、オンプレミス型(自社サーバ構築型)にするかクラウド型にするかの検討です。なぜならば、どちらを選ぶかによって、特に初期費用が大きく違うからです。
クラウド型SFAでは初期費用は安価で無料で導入できるものもありますが、月々の契約ライセンス料金をユーザー人数分支払う必要があります。一般に20ライセンス以上で利用する場合は、オンプレミス型の方が2〜3年で総費用が安価になるよう設定されているといわれています。
それでは長期にわたって利用する場合、オンプレミス型の方がいいのかというと必ずしもそうとも言い切れません。オンプレミス型の場合、サーバを社内またはデータセンターなどに設置しなければならず、サーバを管理する、あるいはデータセンターとのやりとりを行う人間が必要となるからです。その担当者が別の業務とサーバ管理とを兼務する場合はその人の負担と作業量を、専任者を雇う場合はそのコストも考慮しなければなりません。
またクラウド型の場合、バージョンアップは無償で、ストレージ容量の拡張も簡単に行えますが、オンプレミス型ではさらにコストがかかるのが一般的です。
営業データや営業活動の管理を主な目的とするSFAでは、カスタマイズも1つのポイントとなります。導入前に導入目的を明確にし、必要な機能や達成したい目標を定めていても、SFAを活用していくうちに営業担当からさまざまな要望が上がってきて、新たな機能を追加したり、使い勝手がよくなるよう細かく調整したくなったりするというのはよくあることです。
そう考えるとカスタマイズに柔軟に対応できるSFAがよく思えますが、本格的なカスタマイズが行えるタイプは、ある程度業種や機能に特化したタイプと比べ高額ですし、カスタマイズには別途費用がかかります。
特にSFA初心者の企業の場合、安易にカスタマイズ性の高さに飛びつかず、コストとの兼ね合いと、使いこなせるかどうかの検討も重要になってきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。