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事例で分かる「MADP」の活用法、積極的なモバイル活用で競合企業に差をつけるIT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2016年07月04日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

MADPツールはどのようにビジネス課題を解決するのか?

 こうした従来の開発とは異なる条件にうまく対応するために、今後欠かせないのが「MADPツール」だ。このツールを使ってどう課題解決ができるのか、そのポイントについて事例を交えて紹介しよう。

豊富なパーツを利用して容易に新しいUI/UXを実現

 MADPツール自身に豊富なUIパーツを用意するか、独立したUIフレームワークと連携するか、どちらかまたは両方のアプローチが取られている。IDE(Integrated Development Environment/統合開発環境)から呼び出して組み込み、その場でシミュレーターや実機上で確認することもできるため、UI開発を省力化できる(図1)。

図1 UIフレームワーク(OnsenUI)のパターン図2 CSSコンポーネント (左)図1 UIフレームワーク(OnsenUI)のパターン (右)図2 CSSコンポーネント(出典:アシアル)
図3 HTMLタグとしての利用例 図3 HTMLタグとしての利用例(出典:アシアル)

事例:O2O型サンプリングサービス

 レシート画像を送るだけで、実店舗で使えるポイントがたまるサービスを、iOSとAndroidデバイスでスタート。既存Webサイトのリソース有効活用のため、HTML5ハイブリッド型での開発にMADPツールのmonacaとUIフレームワークのOnsenUIを利用したところ、スムーズなアニメーションなどネイティブUIと遜色ないUI実現に成功、技術者一名で実工数2週間でのリリースに成功した。

デバイス固有機能を生かしてデータ管理に新機能を追加

 カメラ、音声、位置情報などのデバイス固有機能を利用し、営業業務、店頭業務などの効率化や顧客満足度向上、データ分析による顧客管理などに活用できる。これにより、バーコードなどの読み取りによる顧客管理や物品管理、ビーコン機能による顧客対応改善・クーポン発券など、さまざまな新サービスが考えられる。

事例:化粧品会社・百貨店店舗向け顧客管理アプリ

 顧客情報管理をアプリ化、バーコード読み取り機能を搭載してログインを簡略化するとともに顧客情報を即座に表示し、店頭での接客に活用。接客メモ機能により、従業員間のコミュニケーションロスの低減にもつながり、紙による顧客管理の制約から脱出した。ソフトバンクが提供するネットワークとホワイトクラウド Kony Mobility Platformを活用してシステム化したケースだ。

図4 バーコード情報と連携した顧客情報管理システムの例 図4 バーコード情報と連携した顧客情報管理システムの例(出典:ソフトバンク)

例:三菱地所レジデンス・顧客情報管理

 多様化する住まいのニーズを、タブレットを利用したアンケートでスピーディーに把握、すぐにデータ分析して、即座に顧客情報として利用可能なシステムを開発。IBM MobileFirst Platformとデータ分析ツールにより、顧客情報を取得してから販売営業に活用できるようにするまでの時間を短縮し、さらに同データを開発やマーケティングにも活用可能にした。

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