最後に、「EMMに必要性を感じない理由(複数回答)」を聞いた。結果はこれまでの調査とは傾向が異なり、全体では「EMMをよく知らない(39.5%)」「EMMを導入するほどのスマートデバイスがない(37.3%)」「費用対効果が明確でない(25.4%)」「導入・運用コストがかかる(19.8%)」という順であった。
「EMMをよく知らないから(必要性を感じない)」が39.5%と最多で約4割を占めており、IT関連以外の製造業で特に高くなっている(47.7%)。業界としても認知度向上のための活動をより活発に行っていく必要がありそうだ。
また、今回の調査では、スマートデバイスを導入済みの回答者に対して、フリーコメントでスマートデバイスに関する課題や悩み、またはスマートデバイスベンダー、EMM、MDM、MCM、MAMベンダーに対する要望を聞いた。
IT関連以外の製造業の一般部門(製品選定を検討し、かつユーザーとして利用)の回答者から、「スマートデバイスの業務利用についての情報が少ない」「ユーザーとしてはもっと便利にいろいろな機能を使いたいのに使わせてもらえない機能が多く、宝の持ち腐れ感がある」といった声が挙がっている。
また、流通・サービス業全般の情報システム部門の回答者からは、「新規機種への追随など機種対応の早さや、ツールの日本語対応を望む」「アプリケーションのインストールをMDMで制限しているが、新たなアプリのインストール、アップデートの際に、スマートデバイスを回収する必要があるため手間がかかる」といった声も挙がっていた。
今回の調査では、MDMの利用において必要な機能としては情報漏えいや盗難を防ぐための機能の必要性が年々高まっていること、導入形態としては「MDM、EMMともにオンプレミスからクラウドへという流れにある」こと、EMMに必要性を感じない理由としては「よく知らないから」が「EMMを導入するほどの台数規模でない」と並んで最上位であることなどが明らかになった。
世の流れとしては、今後ますますモバイル活用の必要性が高まるとともに、紛失、盗難や不正アプリによる情報漏えい対策の必要性も高まっていくことは間違いない。認知度の向上とともにEMMの導入率が高まることに期待したい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。