キーマンズネット会員568人を対象にビジネスでのモバイル活用と管理状況について調査を実施した。モバイル管理ツールの認知度や導入状況が明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年6月3日〜17日にかけて「ビジネスでのモバイル活用と管理状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数568件)。回答者の顔ぶれは、「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」が36.5%、「一般部門で製品選定を検討し、かつユーザーとして利用する立場」が11.1%、「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」が19.9%、「顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場」が32.4%という構成比だった。
前編では、「モバイル活用と管理状況」について「スマートデバイスの導入状況」「スマホ・タブレットの導入理由、導入規模」「トラブルの有無、内容」「セキュリティ対策」などをレポートした。スマートフォンの導入率が2年前に比べて10ポイント以上伸びたことや、その背景には中小企業を中心に、あるいは全社規模で携帯電話(ガラケー)からのリプレースが進んだことが起因していることなどが明らかになった。
後編では、「MDM(モバイルデバイス管理)、MAM(モバイルアプリケーション管理)、MCM(モバイルコンテンツ管理)」や「EMM(エンタープライズモバイル管理)」の認知度および導入状況などを明らかにしていく。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることを事前にご了承いただきたい。
まず、「MDM(モバイルデバイス管理)、MAM(モバイルアプリケーション管理)、MCM(モバイルコンテンツ管理)のそれぞれについてどの程度知っているか」を聞いた(図1)。MDMについては、全体では「詳しく知っている」が11.6%、「大体知っている」が48.9%、「知らない」が39.4%であった。業種別で見ると、IT関連外の製造業で半数以上(53.6%)が「知らない」と回答し、他の業種と比べ15ポイントほど多かった。
MAMは、全体では「詳しく知っている」が4.6%、「大体知っている」が41.9%、「知らない」が53.5%となっており、MDMと同様にIT関連外の製造業で69.6%は知らないと回答した。
MCMは、全体では「詳しく知っている」が3.5%、「大体知っている」が36.6%、「知らない」が59.9%となっており、IT関連外の製造業では80.4%が知らないと回答した。MDM、MAM、MCMのいずれも、全体の約4割から6割が「知らない」状況であり、認知度はまだまだのようだ。
さらに、「MDM、MAM、MCMそれぞれの導入状況」を聞いてみた。MDMは「導入済み」が31.3%、「導入を検討している」が19.4%、「必要性を感じない」が49.3%、MAMは「導入済み」が12.3%、「導入を検討している」が21.1%、「必要性を感じない」が66.5%、MCMは「導入済み」が8.5%、「導入を検討している」が20.8%、「必要性を感じない」が70.8%であった。
先ほどの認知状況にもかかわらず、「必要性を感じない」が全体の約5〜7割となり、いずれも「知らない」を10ポイント程度上回っている。検討はされているが(自分は)必要性を感じていない、知らないので必要性を感じられない(必要性があれば知っているはず)といった層が一定割合存在している。
次に、「MDMを導入済み」に対して「MDMの利用において必要な機能(複数回答)」を選んでもらったところ、「リモートロック(87.2%)」「リモートワイプ(データ消去)(84.9%)」「アクセス制御(40.7%)」「GPS位置情報の取得(38.4%)」「アプリケーションのリモート配布(34.9%)」「アプリケーションのリモート制限(32.6%)」「禁止アプリケーションの強制削除(32.6%)」という順になった(図2)。
2013年8月の調査と比較すると、「リモートロック」が14.1ポイント増、「リモートワイプ」が9.9ポイント増、「アクセス制御」が3.5ポイント減、「GPS位置情報の取得」が13.4ポイント増、「アプリケーションのリモート配布」が6.1ポイント増、「アプリケーションのリモート制限」が11.6ポイント増、「禁止アプリケーションの強制削除」が9.5ポイント増となっている。必要性が大きく伸びている機能は情報漏えいや盗難を防ぐものや、紛失や不正なアプリケーションに対処するためのものであることから、情報漏えいに対する意識が年々高まっているといえる。
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