キーマンズネット会員271人を対象にアンケート調査を実施した。統合運用管理ツールにまつわる悩みや課題が明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年8月17〜31日にかけて「統合運用管理ツールの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数271件)。
回答者の顔ぶれは、一般部門で主にユーザーとして利用する立場が39.9%、一般部門で製品選定を検討し、かつユーザーとして利用する立場が14.4%、情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場が29.9%、顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場が15.9%。
従業員規模別では、1001人以上の大企業が42.8%、101〜1000人の中堅企業が37.6%、100人以下の中小企業が19.6%。業種別では、IT製品関連業が41.0%、IT関連外の製造業が26.2%、流通・サービス業全般が20.3%、その他が12.5%という構成比となっている。
今回は、「運用管理の悩みと解決策」や「導入状況・時期」「導入のきっかけ」を明らかにする。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値は丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじめご了承いただきたい。
最初に、運用管理上の悩みについて聞いたところ、全体では「人手が足りていない(42.5%)」「社内に詳しい人材が少ない(40.2%)」「セキュリティ対策が不十分(21.3%)」「コストがかかりすぎている(21.3%)」「デバイスの多様化への対応が困難(19.7%)」「運用レベルを上げたいができていない(ITIL対応など)(19.3%)」「クラウドや仮想化対応で管理が煩雑になっている(19.3%)」と続いた(図1-1)。
これらを2014年調査時の結果と比べてみると、1位の「人手が足りていない」はほぼ同じ割合で変わらずだが、「社内に詳しい人材が少ない(6.3ポイント増)」「セキュリティ対策が不十分(5.4ポイント増)」「クラウドや仮想化対応で管理が煩雑になっている(5.4ポイント増)」の3項目の増加が目立つ。
人材不足を課題とする企業の割合はあまり変わらない中で、人材の「質(知識・スキル)」がさらに問われるようになってきており、セキュリティ対策やシステム環境の複雑化を課題とする方が増加している。
続けて、これらの悩みをどのように解決しようと考えているかを聞いてみると、1位が「分からない・見つかっていない(48.4%)」で微増(2.0ポイント増)、2位が「人材の育成(29.2%)」でやや減少(4.1ポイント減)、3位が「運用の自動化ツールの導入(20.4%)」でやや増加(3.5ポイント増)、以下、「統合運用管理ツールの新規導入またはリプレース(14.4%)」「人材の採用(12.8%)」が横ばい、「アウトソーシング先を探す(10.8%)」がやや増加(2.4ポイント増)という結果になった(図1-2)。
人材の育成や採用よりも、ツールやアウトソーシングによって課題を解決しようという姿勢がやや強まっている。フリーコメントからも「運用管理が軽視されており、人員がさらに削減される状況。頭数の問題ではなく、経験値と技術力が必要なのだが……」という意見が見られた。
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