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金属に匹敵する高剛性をもつ筐体、レノボが新ThinkPadを発表(2/2 ページ)

» 2017年02月17日 10時00分 公開
[綿谷禎子キーマンズネット]
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「ThinkPad X1 Carbon」に採用された新技術

潮田達也氏 JDC機構技術 システム機構設計 潮田達也氏

 新製品の開発に携わったJDC 機構技術 システム機構設計の潮田達也氏からは、「ThinkPad X1 Carbon」に採用された新技術について説明が行われた。

 まず「小型化・狭額縁設計」。2つ目がX1 Carbonの「新世代超軽量カーボンハイブリッドカバー」についてだ。これら2つの開発によって、よりコンパクト化と軽量化、堅牢化が実現した。潮田氏は「ThinkPad X1 Carbonは、ThinkPad史上最も軽量で高剛性を実現した製品。今回、より軽く、強く、美しくなった新製品を紹介させて頂くことを喜ばしく思っています」と語った。

 まず、狭額縁にしつつカメラはBestなポジションに配置した。アンテナやケーブルは下部筐体へと収められた。また、筐体に埋め込まれたガラス繊維強化樹脂により、LTE、3G、Wi-Fi、BT、NFC、WiGigなどのあらゆるワイヤレスに対応した。LTEアンテナの性能試験は、通常のフィールドテストに加えて、横浜、ノースカロライナ、ミュンヘンで、ユーザーの使用環境を想定して非常に詳細なデータをとっている。

 静音性についても、QMD(Quiet Metal Dome)カーボン繊維を使ったスイッチにより、隣でもほとんどクリック音が聞こえないレベルに改善。PC利用時の操作音などを周囲に配慮できるよう工夫が凝らされている。

筐体に埋め込まれたガラス繊維強化樹脂 筐体に埋め込まれたガラス繊維強化樹脂により、LTE、3G、Wi-Fi、BT、NFC、WiGigなどのあらゆるワイヤレスに対応できるように
QMDカーボン繊維 QMDカーボン繊維を使ったスイッチにより、隣でもほとんどクリック音が聞こえないレベルに改善
高精度フレーム強化三層構造 従来のカーボンハイブリッドカバーを、新製品では高精度フレーム強化三層構造へと変更。金型にあらかじめ成型したフレーム上のガラス繊維樹脂をカーボンと同時にはめこみ、端から端までカーボン化することで、大幅な反りやゆがみを改善。金属筐体に匹敵するほどの高剛性を得ることができた
カーボンのサンドイッチ構造 ThinkPadが採用してきたカーボンのサンドイッチ構造。内部のコア層を従来の低密度発泡体から低密度カーボンファイバー網に変更することで、より高剛性を高めた
吉山典利部長 UX&ノートブックソフトウェア開発 吉山典利部長

 最後にUX&ノートブックソフトウェア開発の吉山典利部長により、新製品のソフトウェアについて説明。変更点は2017年版 ThinkPadキーボードと、プログラムと機能の2点だ。

 キーボードはファンクションキーの割り当てにユーザー定義キーを用意するなど、ユーザビリティを向上させ、さらにキーボードマップによるファンクションキー機能の解説を用意し、分かりやすさを追求。

 プログラムと機能はドライバのセットアップをINFインストールに変更するなどして、プログラムと機能のエントリーを26アイテムから8アイテムへと大幅に削減した。吉山氏は「今後もレノボのユーティリティーをより分かりやすくしていきたい」と締めくくった。

F10はBluetoothのオン/オフ F10はBluetoothのオン/オフ、F11はレノボセッティング入力セクションの起動、F12は新たにユーザー定義キーとした。FN+4でスリープ機能、FN+Bでブレークといった隠し機能も、キーボードマップで明示するようにした
INFインストール 多くのドライバをセットアップからINFインストールに変更。ユーザーエクスペリエンスの向上や、プリロードとWindowsアップデートとの親和性の向上を図った。それによりプログラムと機能のエントリーが大幅に削減され、シンプルで分かりやすくなった
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