キーマンズネット会員401人にアンケート調査を実施した。バックアップツールの導入目的や稼働状況、リストア経験の有無などが明らかになった。
キーマンズネットでは、2016年12月5日〜20日にかけて「企業におけるBCPとバックアップツールの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数401件)。
回答者の顔ぶれは、従業員業規模別では、従業員数が1000人を超える大企業が42.4%、同101以上1000人以下の中堅企業が36.2%、同100人以下の中小企業が21.4%という構成比だ。業種別では、IT製品関連業が42.1%、IT関連外の製造業が25.9%、流通・サービス業全般が20.7%、公共機関を含むその他の業種が11.2%という構成比だ。
IT関連の製品・ソリューション導入に関する立場については、「情報システム部門で主に導入・検討や運用に関わる立場」が34.4%、「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」が32.9%、「顧客に販売するベンダー・SIerとしての立場」が24.4%、その他が8.2%となっている。
前編では主に、これまでの災害に関する業務への影響状況やBCPの施策状況、バックアップツールの導入状況などをレポートした。災害が原因のデータや業務に関するトラブルは、「通信環境の停止」「サーバダウン」が二大現象であること、BCPを行っている企業は66.6%にとどまっていること、実施済みBCPとしては、「安否確認システムの導入」「災害時対応マニュアルの作成」「バックアップツールの導入」「データセンターの利用」がいずれも6割以上であること、バックアップツールの導入済みの企業は、2年前と比べて18ポイント増加していることなどが明らかになった。
後編では、バックアップツールについて「導入目的」「バックアップの頻度と形式」「バックアップするデータの対象」「リストア経験の有無」「バックアップツールに必要な機能」などについて明らかにしていく。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があることをあらかじせめご了承いただきたい。
まず、「バックアップツールを導入済み」とした回答者に、導入済みのバックアップツールを導入した際の目的を聞いたところ、「事業継続・災害対策(86.9%)」と「障害時のリカバリー(70.8%)」が7割を超え二大理由として浮かび上がった(図1)。
バックアップツールを「導入予定」とした回答者にも同じ質問をしたところ、「障害時のリカバリー」が74.6%、「事業継続・災害対策」が55.9%となり、障害時のリカバリーに重要度が高まっている傾向を示していた。
導入済みのバックアップツールによるバックアップの頻度と形式についても聞いてみたところ、頻度については「毎日」が77.2%で主流であり、形式については「フルバックアップ+差分バックアップ」の両方を行っているケースが71.8%であった(図2-1、2-2)。
2種類のバックアップを行っているのは、切り戻し(復元・リストア)を行う際に、差分リストアで済むケースと、長時間を要してもフルリストアが必要なケースの両方に備えてのことであろうことは容易に想像がつく。
なお、「導入目的」「形式」とも、2年前と大差はないが、「障害時のリカバリー」が5ポイントほど減少し、その分「事業継続・災害対策」が5ポイントほど増加している点には、着目しておいてよいだろう。
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