セルフサービスBIは手軽に使えるものとして評判が高いが、利用形態やプランが豊富に用意されているため自社に最適な契約を行うには検討が必要だ。
ビジネスの意思決定のため、自らの手で素早くデータの視覚化ができるツールがセルフサービスBIです。しかし導入のコストにおいて、予算に余裕がない、心配だという人も多いのではないでしょうか?
セルフサービスBIはクライアントインストール型、サーバ型、クラウド型とさまざまな形態で提供されています。会社の規模、利用目的などに合わせて最適なセルフサービスBIを選びたいものです。今回は一般的なセルフサービスBIの課金体系とコスト感について紹介します。
手軽に利用を開始できるセルフサービスBIの導入形態は、クライアントPCにインストールするタイプです。Officeアプリケーションのように使えるこのタイプは、価格も数十万円程度と比較的ローコストで使用可能です。また、Qlik SenseやMicrosoft PowerBI Desktopなどのように無料で配布されているものもあります(一部機能制限あり)。
コスト面から見ると、クライアントインストール型は特定の部門での利用を想定する場合、あるいは先行導入としてトライアル的に導入する場合に適しているといえるでしょう。
複数部門にまたがって、あるいは全社的に視覚化情報を共有したい場合、またIoT機器の動作分析のように大量のデータを処理するような目的で使うのに適しているのがサーバ型です。多くのサーバ型セルフサービスBIシステムはWebブラウザを使って利用でき、いわゆるオンプレミス(社内に設置したサーバ)でも、クラウド上のサーバへの導入でも対応できる形になっています。
サーバ型は導入コストが高めで、数百万円規模のものが多いです。ユーザー数に合わせてクライアントライセンスが必要なものもあります。
PCやサーバなどに導入する必要がないのがクラウド型の特徴です。サーバを用意することなく利用を開始できるので、初期コストを抑えられます。また、外出先からもインターネット接続ができれば、使えるという自由度の高さもメリットです。
コスト面については、無料のサービスもあり、有償でもクライアントインストール型よりも安価に使えるものが多く、入門編としてもおすすめできます。また課金体系は月額制や年額制などの「利用料」型で支払うのが一般的です。ただし、機能面の制約や、ERPなどの社内システムへの接続に制限があるものもありますので、事前に注意が必要です。
クライアントインストール型やクラウド型では、一部制約がありながらも無料で使えるものやトライアル版を提供しているベンダーもありますので、それらを使って比較、検討してみるのもよいでしょう。
また、Microsoft PowerBIやGoogle Data Studioのように自社クラウドサービス(Office365、G Suite)の機能の一部として提供されているものもあり、これらのサービスを利用しているユーザー企業では第一候補としてよいでしょう。
今回はコスト面からセルフサービスBIツールを見てみました。タイプによって、またベンダーによってコストも異なってきます。自社のニーズに基づき、費用対効果の高いツールを選びましょう。
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