標的型攻撃が高度化、巧妙化するにつれ、対策製品市場も拡大している。シェア情報を紹介する。
富士キメラ総研の調べによれば、2016年度の国内標的型攻撃対策ツール市場は130億円で、そのうちソフトウェアが32億円、SaaSが18億円、アプライアンスが80億円と見込まれる。対策対象別に分類すると、エンドポイント型が25億円で、ゲートウェイ型が105億円となる。
当該市場は、大手企業や官公庁、重要インフラ産業での対策ニーズによって拡大した。近年、標的型攻撃は高度化、巧妙化している上、急激な増加傾向にあり、当該製品の需要も拡大傾向だ。
ベンダー別の市場占有率(金額ベース/見込)を見ると、65.4%でシェア1位のベンダーは、専用製品としての認知度やブランド力などで先行する他、技術面やビジネスノウハウなどでも優位性がある。2位は21.5%、3位は6.2%で国産ベンダーがランクインした。
今後、当該製品はSaaSでの利用が増加していくとみられている。これは、導入後の運用管理面の負担が大きいためだ。また、ゼロデイ攻撃対策など、エンドポイント型の製品を展開するベンダーが増加しており、従来のゲートウェイ型と合わせて強固なセキュリティ機能を提供する提案が増えている。
この他、工場ネットワークや重要インフラなどのIoT環境におけるセキュリティツールとしての利用も進みつつある。大手企業や官公庁などに加え、中堅規模のユーザーへと需要の裾野が広がるだろう
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