Amazonの倉庫ロボット「Kiva」に代表されるように、物流にも自動化の波が押し寄せている。吉野家に導入された“肘打ちできないロボット”、ニトリの“巨大コンテナロボット”などを紹介。
くるくると自動で働く姿が話題となったAmazonの倉庫ロボット「Kiva」に代表されるように、物流にも自動化の波が押し寄せている。現在では、倉庫ロボットに限らずさまざまなソリューションが勃興している状況だ。
そんな物流に特化した技術を一度に体験できる場所がある。9月13日に「三井不動産ロジスティクパーク船橋I」内に設置されたショールーム「MFLP ICT LABO」だ。物流のICT関連機器として16種類の製品を展示。その効果を入居企業及び入居検討企業が体験できる場としている。
「昨今では人手不足が問題となっており、物流の分野でも自動化が急務だ。2030年までには国を挙げて完全自動化を目指す動きもある」と語るのは、三井不動産 ロジスティクス本部ロジスティクス事業部長の寺島道人氏だ。ショールーム「MFLP ICT LABO」も、高まる自動化、効率化へのニーズを受けての試みだという。
本稿では、12日に行われたMFLP ICT LABO内覧会の模様をお伝えする。自律的に走行する倉庫ロボットやピッキングロボットなど、心躍る物流最新技術を紹介したい。
ショールーム「MELP ICT LABO」では、物流における5つのフェーズ、「入荷・出荷」「格納・保管」「ピッキング」「搬送」「仕分・梱包・検品」に対応したソリューションを展示している。
ラボの中でも目玉製品となっているのが岡村製作所が開発した「オートストア」。格納や保管、ピッキングの作業を自動で行うロボットストレージシステムだ。
図1のビンに荷物を入れるだけで、ロボットがコンテナに荷物を格納し、注文が出た際には出庫も行う。ポイントは、入出庫の効率化と集約率の向上だ。固定棚で人間が入出庫を行うよりも、2倍の効率で作業が進むという。またコンテナは高密度に集約されているため、収納性はクレーン式自動倉庫の2倍、平置き式固定棚の3倍だ。国内では、ニトリホールディングスをはじめ導入実績は3件。追加で9件の導入が決まった。
ライフロボティクスが開発した「CORO」は、ピッキングや梱包箱の外観検査などを行うロボット。「肘の無いロボット」をコンセプトに、人間に混じって作業ができることを強みとする。
従来のピッキングロボットは、動作する際に関節を大きく動かすため、安全性の問題などから人と離れた場所でしか作業ができなかった。一方COROは肘を大きく回転させる動きを必要としないため、人間の隣に設置することが可能。占有するスペースも人間1人が動作する範囲にとどまる。こうした特徴から、吉野家のバックヤードにおける食器洗浄業務で活用されているという。
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