「リスクの文脈」で話すこと。それが十分な予算を確保するために必要なものだ。そのリスクの変数として、どのようなものがあるのだろうか。
ウォーリー氏は米ベライゾンが提示する「サイバーリスク10のパターン」を例に挙げる。攻撃ベクトルには10のパターンがあり、これを基にして自社がどのパターンに対策すべきであるかを考えることができる。多くの企業に共通する10のパターンとは以下のようなものだ。
例えば、教育分野ではサイバー諜報やエラー、その他のパターンがほとんどを占める。一方で、金融分野をみるとDoS攻撃やクレジットカードスキミング、Webアプリケーションへの攻撃などが攻撃のほとんどを占める。また、中にはインパクトが低いパターンもあり、業種によっては例えWebサイトが攻撃され侵略されたとしても、知的財産の奪取までには至らないものもあるだろう。
Webサイトへの攻撃はインシデントの許容度が高い場合が多いが、インシデント許容度が低い「情報漏えい」「金融詐欺」「知財窃盗」「ランサムウェア」などに対しては対策が必要な場所になるだろう。まずは自社がこれらのサイバーリスクのうち、どのパターンのサイバーリスクに気を付けるべきかを判断することが重要だ。
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