2016年の国内コグニティブ/AIシステム市場規模は、ユーザー出資額ベースで158億8400万円。2021年には2500億円を超える市場になる見込みだ。
AI(人工知能)のビジネスへの利活用が進んでいる。IDC Japanの調査によれば、2016年の国内コグニティブ/AIシステム市場規模は、ユーザー出資額ベースで158億8400万円と推定される。2016年から2021年までの年間平均成長率は73.6%と大きく成長し、2021年には2500億円を超える市場になる見込みだ。
IDC Japanでは、コグニティブ/AIシステムを「自然言語処理と言語解析を使用して質問に応答し、機械学習をベースとしたリコメンデーションとディレクションを提供する技術」と定義している。
2016年におけるAIのビジネス活用の多くは概念実証(PoC)の段階にとどまっており、実運用はまだ少数だ。このうち、AI技術の使われ方としては、専門職の分析や検索を支援する「ナレッジワーカー向けデジタルアシスタンス」や、製造業における「品質管理」などが挙げられる。
2017年以降は、PoCから実ビジネスへの適用が急増すると見込まれる。AIが適用されるのは、主に金融機関での詐欺検出や分析の他、全業種での自動顧客サービスなどと予測される。この結果、2021年の市場規模は2501億900万円に達するだろう。
なお、IDC Japanでは従業員数100人以上の国内ユーザー企業500社を対象とした意識調査を2017年3月に実施した。全体の57.4%が「AIが自社ビジネスへ何らかの影響を及ぼす」と回答しており、特に従業員数100〜249人の中小企業が高い関心を持っている。この背景について同社では、AIが人材不足の解決策となるものとの期待があると分析している。
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