また、シスコでは地方の中小企業へのアプローチも重視している。例えば旅館や診療所、学習塾など、地域に根差した施設や設備も、Cisco Startのラインアップが適している場合が多い。
このため、Cisco Startでは販売戦略の1つとして、地方の中小企業を支援する営業体制を作るため、地域ごとに事業推進組織を作り、各産業に対して「コンテクストに合わせた展開」を行うとしている。
その成果の一例が「文教セレクション」や宿泊施設向けに特化したアプローチだ。
文教セレクションでは、学校、学習塾ならではの課題に対応したパッケージだ。現在の学校や学習塾では学生に動画配信サービスを活用して、教室内のタブレットで同じ動画を見るようなプログラムを持つところも多い。このような場合、市販のコンシューマー向けの無線LAN製品などでは、同時接続数の上限を超えてしまい、うまく動かないのだ。「文教セレクション」では、このような環境に合わせたチューニングを行い、大人数で動画を視聴しても耐え得るようにしているのが特徴だ。
Cisco Merakiについては神奈川県の温泉宿「陣屋」での導入を例に、全国の旅館へのアプローチにも注力する。
高橋氏は「旅館は全国に7万件あり、日本各地にお客さまがいて、課題がある。そういうところにCisco Startがリーチし、インフラとして活用してもらえるよう、拡販できる体制をパートナーとともに展開する」と説明する。
この展開を推進するため、シスコは新製品「Cisco WAP125」を展開する。Cisco WAP125は802.11ac対応の無線LANアクセスポイントで、可視化のためのマネジメントツールを含めても「1万円を少し超えたくらいの価格」(高橋氏)で提供できるという。
これまでのラインアップも価格を見直し、市場想定価格を10%程度値下げする。「例えばこれまで4万円台だったCisco Catalyst 2960-L シリーズ スイッチは実勢価格で3万円台になる」(高橋氏)
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