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ビジネスチャット3製品を比較、話題のSlackも紹介(2/4 ページ)

» 2018年04月02日 10時00分 公開
[土肥正弘ドキュメント工房]

既存の社内コミュニケーションツールとビジネスチャットの違い

 UIと利用文化の違いの他にも、既存の企業IT文化と異なる部分が幾つかある。ポイントを挙げてみよう。

メールとの違い

チャットのメリット

  • スパムメール、迷惑メール、広告メールが届かない
  • To、Cc、Bcc入力の手間がない
  • リアルタイム性が高い
  • メッセージ送信後の削除、訂正が可能
  • PC、スマホ、タブレットのそれぞれが利用可能
  • 大容量ファイルの共有が可能
  • 目的の相手と音声通話、ビデオ通話が可能

メールのメリット

  • 誰でも利用経験があり、社外とのやりとりにも好適
  • 一覧、検索、抽出などの操作が容易(メーラーに依存)
  • 証跡保存、監査対応に好適
  • 外部の人、内部の親しくない人に礼を失しないマナーが浸透

社内SNS、社内ブログとの違い

チャットのメリット

  • 情報の迅速な共有が可能
  • 業務関連メンバーだけの小さな単位でクローズドな場が持てる
  • グループ(テーマ、ルーム)別に時系列にメッセージが整理される
  • 個別のメンバーといつでもグループを構成可能。1対1の会話も可能
  • タスク依頼、管理、確認がツールによっては簡単

社内SNS、社内ブログのメリット

  • テーマに対して広く意見、コメントを求められる
  • 情報発信がメイン、情報共有対象が広く不特定多数の場合に有利
  • 利用者の偶然の出会いを促進
  • 検索、再利用が容易でストック型の情報共有に好適

グループウェアのチャット機能との違い

 グループウェアとしての機能がメイン、チャットはその機能を補完するためのアシスタントツールのような位置付けであり、ビジネスチャットとは方向性が異なる。

インスタントメッセンジャーとの違い

 そもそもインスタントメッセンジャーでのコミュニケーションで1対多や多対多の通信が行われていたのが「チャット」の始まり。基本機能面では差がないが、セキュリティ面、機能面、操作性面で後発であるビジネスチャットツールのほうが優れている部分が多い。また次の個人向けチャットツールと同様の弱点がある。

個人向けチャットツールとの違い

 プライベートチャットと業務用チャットとの区別が難しく、情報漏えいの可能性が大きい。メンバー制限が限定的で外部への不正通信窓口になる懸念もある。さらにログの取得ができず、通信内容の監査ができないなど、IT部門の監視も効かない「シャドーIT」になる可能性が高く、セキュリティ、コンプライアンス面で問題がある。

 一方ビジネスチャットツールには、例えばユーザー管理やアクセス制限、ログのエクスポートなどのセキュリティ機能が盛り込まれている(ただしサービスやプランにより違いがあり、機能実装に別途ツールが必要な場合もある)。

ユーザー管理

 ユーザー登録が行えるのは管理者だけとし、部外者を勝手に登録できないようにし、ユーザーアカウント、組織、グループを管理可能にする。

アクセス制限

 端末IPアドレスやデバイス認証によりアクセスできる端末を制限する。ネットワークIPアドレス、ブラウザ、通信キャリア別のログイン制御、各種2要素認証、自動ログオン禁止、シングルサインオン(SSO)対応など、さまざまな手法が利用できる。Active Directoryとの連携・同期機能を備えるものもある。

ログのエクスポート

チャットやファイルアップロード、ダウンロードなどのログを保存し、監査の必要があればエクスポートして調査・分析可能にする。

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