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ワークスタイル変革の取り組み状況に関する調査(2018年)/後編IT担当者300人に聞きました(4/4 ページ)

» 2018年04月26日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
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現場と経営者、制度のギャップを埋める企業事例が待たれる

 総じて、ワークスタイル変革には一定のニーズは感じているものの、実現にあたって困難に直面している方が多いようだ。その理由はさまざまだが、例えば人事評価や業績評価における基準が曖昧で管理工数が余計にかかったり従業員間に不公平感があったりするケースだ。現場の従業員は会社が掲げたワークスタイル変革に即して、制度を行使して業務を進めても、それらの管理・評価をする中間管理職に明確な基準がなかったり、そもそも経営陣からも方針のみで具体的な実現方法は任せっきりであったり、などの声もあった。

 厚生労働省や総務省では働き方改革の実現に向けて、関連法案の公開はもちろん労働管理のためのガイドラインや子育て・介護などと仕事の両立支援事例を発信するなど積極的な啓発活動を行っている。一方で今回聞かれた声では「同業で同一規模の他者事例」「情報収集や情報交換の場が欲しい」といった、より具体的な情報を得たいという意見が多かった。これはワークスタイル変革に取り組む企業が増えてきた証左ともいえるが、現場と経営者、ガイドライン策定者らの間のギャップをどう埋められるか、その提案をどう実施すればよいかに多くの企業が苦慮しているということだろう。

 少子高齢化の進む日本においては、時間ではなく成果を見据えた業務効率化と生産性向上、子育てや介護などの背景を持つ多様な人材の柔軟な活用が必要不可欠になってくる。フリーコメントの中には諸外国との差が広がることへの懸念点もあったが、ワークスタイル変革に取り組む企業が増えれば日本全体のこれら課題も一部払しょくされるであろう。そのためにも今回挙げた生の声を参考に、自社でのワークスタイル変革実現方法を検討いただきたいし、そのために事例や相談会の企画発信などの積極的支援を行う企業の台頭にも期待する。

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