キーマンズネット会員206人を対象にアンケート調査を実施した。導入時に重視するポイントやトラブルの有無など無線LANの利用実態が明らかになった。
キーマンズネットは2018年3月9日〜4月4日にわたり、「無線LANの導入状況に関する調査」を実施した。全回答者数206人のうち「一般部門で主にユーザーとして利用する立場」(49.5%)、「情報システム部門で主に導入、検討や運用に関わる立場」(32.0%)、「顧客に販売するベンダー、SIerとしての立場」(15.0%)などと続く内訳であった。
今回は、「導入時の重視ポイント」や「セキュリティ対策」「トラブルの有無とその内容」など、企業における無線LANの導入・運用状況を把握するための質問を展開。全体の約3割が「過去1年間に無線LANに関するトラブルが発生した」と回答するなど、その利便性の裏側にあるトラブルについても触れていく。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
前編では中小企業を中心に導入が進む無線LANの現状を紹介したが、関連して後編では、まず導入済み企業に対して「無線LANの導入時に重視したポイント」について選択肢から上位3つを選択してもらう形式で調査した。その結果「最も重視する」項目は、割合が高い順に「導入・運用コスト」(44.6%)、「セキュリティ」(38.9%)、「集中管理」(28.0%)、「回線速度」(25.1%)、「可用性・安定性」(24.6%)と続いた(図1)。
従業員規模別に見ると、規模が小さくなるにつれて重視する割合が高くなるのが「導入・運用コスト」「回線速度」「運用・メンテナンスの容易さ」「保守・サポートサービスの充実」の4項目だ。特に「導入・運用コスト」においては、56.7%と中小企業の約6割が重視するポイントとして挙げており、これらから、IT予算面やITの保守、管理面で掛かる人材不足など、中小企業が直面している課題が見えてくる。
反対に、従業員規模が大きくなるにつれて重視する割合が高くなるのが「集中管理」と「セキュリティ」の2項目だ。企業規模が大きくなるほど管理するアクセスポイント数や接続するクライアント端末数も多くなり管理工数も増える。管理項目が増えると、同時にセキュリティリスクも高まり、有事の際の影響範囲や社会的責任も大きくなる。このように中小企業と大企業ではその性質から無線LAN導入で優先される項目が大きく異なることが分かった。
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