LOHACOは2012年の10月のスタート以来、売り上げを伸ばし続けている。しかし2014年時点では顧客の問い合わせ対応窓口は電話とメールによるチャネルしかなく、コンタクトセンターは多忙を極めた。問い合わせ内容を把握するためだけに、顧客との間でおよそ2.5往復ものやりとりが発生しており、その工数と時間の短縮が大きな課題だった。
同社でカスタマーサービス&エンゲージメント カスタマーエンゲージメント/プロダクトサービスマネジメント 部長を務める蛯原一朗氏は、「問い合わせ件数の全体数をコントロールすることが重要。そのためにはお客さまがそれぞれの問題や疑問を『自己解決』できるように導くソリューションが必要だと考えました」と語る。
そこで着目したのがチャットbotだ。当時、Web上で商品を案内するチャットbotが注目されていたこともあり、これをカスタマーサポート領域に適用できるのではないかと考えた。チャットbotが顧客からの問い合わせに対応し、一部だけでも解決に導くことができれば、有人対応の件数を削減できる。スタッフの補充や設備の増強を抑えつつも、顧客の問題を迅速に解決できるのだ。また同時に、人手による対応負荷が減った分、スタッフの電話、メールなどの対応を本当に必要としている顧客に対して丁寧な対応を徹底できる。
このアイデアに応えてシステム化提案を行ったチャットbotベンダーは3社。同社が選んだのはりらいあコミュニケーションズ(当時の社名はもしもしホットライン)の提案だった。選定の決め手は次の3点だ。
(1)会話エンジン、キャラクター生成、Q&Aの作成とメンテナンスを含む総合パッケージソリューションであること。すなわち開発や運用の多くの部分をベンダーに任せられ、現場の負担を軽くできること。
(2)Q&Aのカスタマイズなど、サービスの中核部分についてアスクル側での自由な追加や変更が効くこと。
(3)導入時の会話エンジンにこだわらず、技術の進化によって最適なエンジンが現れた場合に、変更できること。
現場の負担は軽くなる一方で、自社での工夫の余地があり、しかも技術発展を見越して将来的にも安心できることを加味したのだという。
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