サイバー攻撃を受けた企業はその後どうなるのか。本レポートでは、ネットワークセキュリティベンダーが発表した調査を基に、事後対応にかかるコストや倒産リスクとセキュリティ対応の穴について説明する。
UTM(総合脅威管理)やファイアウォールといったセキュリティ製品をグローバルに提供するウォッチガード・テクノロジーは、最新の脅威動向と中堅・中小企業(SMB)のセキュリティ被害状況、今後の製品展開について発表した。また、新たな日本法人の代表を迎え、日本における今後の市場戦略について語った。
プロダクトマネジメント担当シニアバイスプレジデントのアンドリュー・ヤング氏により、セキュリティベンダーや外部機関による調査結果を基にしたサイバー攻撃の被害状況について語られた。
サイバー攻撃者は企業規模を問わず攻撃する。あらゆる企業がサイバー攻撃の対象となり、中小企業もその脅威から逃れられない。ウォッチガード・テクノロジーによると、データ侵害の50%以上がSMBを対象とした攻撃だという。データ侵害により個人情報が流出した場合、まずはその事実を公表しなければならない。その企業は社会的な信頼を失い、その後のビジネスにも大きく影響する。データ侵害が発生した際に、企業にのしかかる対応コストは平均して11万7000ドルだという(※1)。小規模な組織の場合は、この財務的な打撃により廃業に追い込まれるケースも少なくない。米国機関の調査によると、攻撃を受けた中小企業の60%が半年以内に倒産している事実もある(※2)。
この調査結果を受けて、深刻化するSMBのセキュリティ被害と変化するセキュリティニーズに対するベンダーとしての取り組みについてヤング氏はこう説明した。「今や、従来のセキュリティ対策では十分なセキュリティは確保できない。そのためにも、継続的な開発投資を進めるとともに、企業買収を進め、製品ポートフォリオの拡充を図る」
この1年半で、脅威検知やレスポンス技術を持つ「HawkEye G」や多要素認証ソューションを提供する「Datablink」、DNSセキュリティソリューションの開発企業「Percipient Networks」といったテクノロジー企業3社を買収した(図1)。
(※1)「Measuring the Financial Impact of IT Security on Businesses」(カスペルスキー)
(※2)「America's Small Businesses Must Take Online Security More Seriously」(National Cyber Security Alliance)
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