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» 2018年10月01日 10時00分 公開

顧客体験向上のキーワード“end-to-end” ――ペガシステムズ社がCRM・業務プロセス管理の最新版「Pega Infinity」をリリース

[相馬大輔RPA BANK]

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消費社会が成熟し、また誰もがスマートフォンで常に情報をチェックする時代の到来で、マーケティングの世界ではいま、あらゆる時・場所・媒体を通じて「個人」に最適化したアプローチが求められている。英エコノミスト誌の調査部門が行った、各国企業のマーケティング責任者へのアンケート調査(2016年)でも「2020年までに顧客体験を一気通貫(end-to-end)に掌握する」との回答が9割近くにのぼっている。

こうしたトレンドの中、CRM(顧客関係管理)とDPA(デジタル・プロセス・オートメーション)のツールを展開する米ペガシステムズ社の日本法人、ペガジャパン株式会社(東京都千代田区、渡辺宣彦社長)は2018年9月12日、製品プラットフォームの最新版「Pega Infinity」を国内発表。ニーズが高まるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を標準装備とし、AI(人工知能)の応用を拡大したソリューションの全容を明らかにした。メディア向けに同日開かれた発表会の模様をレポートする。

デジタルトランスフォーメーションに立ちはだかる“3つの壁”

都内で同日開かれたユーザー向けイベント「Customer Engagement Summit Tokyo」の会場で開かれた発表会には、ペガシステムズのCTO兼バイスプレジデントであるドン・シャーマン氏が出席。金融・通信・ITなどの世界的企業をユーザーに持つ立場から、デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業の現状を「使い勝手がよくパーソナルなモバイル環境が当たり前の顧客から寄せられるニーズは増加の一途で、それらに応えるための挑戦を続けている」と解説した。

シャーマン氏はその上で、企業が顧客体験の向上を図る過程で直面する3つの課題を挙げた。

  • チャットボットなど特定のチャンネルに注力し、横断的な体験への配慮が不足する
  • 成果から離れ、自動化のタスクそのものに終始する
  • 顧客からみた一気通貫ではなく、組織の縦割りで処理してしまう

ペガシステムズはこうした課題の克服を支援する製品として、AIの自動応答を交えた顧客とのチャット内容を自社と代理店で共有可能な「リアルタイム・オムニチャンネルAI」や、既存のシステム間を橋渡しして顧客体験を一貫的なものにできる「エンドツーエンドロボティックオートメーション」などを展開していると述べた。

さらに同氏はペガ製品の特徴として、直感的なユーザーインターフェースを操作するだけでソフトウエアが自動生成されるため、実装や運用においてプログラミングを必要としない点を強調。ペガシステムズが提供するクラウドサービス(SaaS)での利用に加え、AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformといったパブリッククラウドへの移行にも対応し、将来に向けた幅広い運用形態を保証していることもアピールした。

end-to-endを強化するAI搭載の新機能をラインアップ

今回発表された「Pega Infinity」は旧バージョン「Pega7」に続く、同社の製品群を統合したプラットフォームで、およそ100の機能が新たに追加されたという。

このうち代表的な新機能としてシャーマン氏は、▽既に断られたプランを除外するなど、キャンペーン施策のレスポンス率向上に向けた見直しをAIが自動で行う「Self-Optimizing Campaigns」▽標準ライセンスに含めて提供を開始したRPAツール「Pega Robotics」▽顧客からのメールを解析し、返信文の候補を自動作成する「Pega Intelligent Virtual Assistant for Email」をピックアップし、概要を解説した。

また開発ツールに関しては、適応領域を拡大したテスト自動化ツール「Automated Testing Suite」や、操作上の問題点をユーザーと開発者が画面キャプチャーを交えて共有できる「Agile Workbench」がラインアップに加わったこともアナウンスされた。

Pega Infinityで採用が拡大したAIは、過去の履歴を参考に最適な提案を判断する機能や、返信文の自動生成のほか「自動化可能な定型作業をバックグラウンドで探索する」「Pega製品自体の処理速度低下を感知して改善する」といった領域でも活用。Pega Infinity上で処理する取引に関する、AIを使ったリスク評価機能も近く実装される見通しという。

標準装備のPega Roboticsは「他社RPAツールとの共存」も想定

Pega製品の日本での展開について渡辺社長は「2011年に日本法人を設立して以来、保険、銀行を皮切りに、メーカーや官公庁まで採用が広がりつつある」と説明。オフィスにおける活用だけでなく、米国では国勢調査員のモバイルアプリにPegaが採用された例もあるとして、あらゆる業種・環境で実績を持つ優位性を説いた。

渡辺社長はまた、国内市場での盛り上がりが顕著なRPAに関しても言及。Pega Roboticsは、ペガシステムズ社が2016年に買収したRPAツール開発企業・OpenSpan の技術を受け継ぎ、ツール単体でも高評価を得ているものの、それを包含するPega Infinityのもとでは「end-to-end」を実現する一要素に位置づけられている。このため、ペガジャパンとしてRPAに特化した導入提案をする計画はなく「現在普及が進む他社のRPAツールとは全く競合しない」と明言した。

渡辺社長はさらに「Pegaのユーザーとなる企業が、既に他社のツールでRPA化を進めていた場合でも、それを変える必要はない。業務の入り口から出口までPegaを使う中で(プラットフォーム上で統合された)Pega Roboticsは自動で起動するが、それと併存する形でユーザーが別のロボットを起動させ、シームレスに業務効率化に取り組んでいる実例もあり、こうしたやり方が今後どんどん普及する」とも発言。RPA専業のベンダーとも協調しながらユーザーの生産性向上に貢献していきたいとの考えを示した。

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