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GPUを必要とする計算処理の存在感が増加

GPUやFPGAなどを搭載したサーバとそれに接続される外付型ストレージを合わせた「アクセラレーテッドコンピューティング」は、2022年に978億2300万円まで成長する。

» 2018年10月02日 10時00分 公開
[キーマンズネット]

 AIやIoTの普及により、特定の計算処理を一般的なCPUではなく、GPUやFPGAで行わせる需要が増えている。特定のワークロードの計算需要が、CPUの計算性能向上のペースに比べて急速に高まり、処理性能のギャップが生じているからだ。

企業向けITインフラの支出は減少傾向

 IDC Japanの調査によれば、サーバや外付型ストレージを含む国内エンタープライズインフラ市場において、GPUやFPGAなどを搭載したサーバとそれに接続される外付型ストレージを合わせた「アクセラレーテッドコンピューティング」は、2022年に978億2300万円まで成長する。2017年から2022年までの年間平均成長率(CAGR)は13.2%だ。

アクセラレーテッドコンピューティング 図1 国内エンタープライズインフラ市場 アクセラレーテッドコンピューティングとその他別 支出額予測、2017年〜2022年(出典:IDC Japan)

アクセラレーテッドコンピューティングが、2017年のエンタプライズインフラ市場に占める割合は7.8%だが、5年間で割合を増やし、2022年には16.8%に拡大する。AIやIoTなどのワークロードはプライベートクラウドを含むクラウドに多く配備される見込みで、クラウド向けの支出額のCAGRは16.5%とそれ以外より4.5ポイント高い。

 IDC Japanでは、アクセラレーテッドコンピューティングは、需要のある計算の種類や扱うデータが多様化することで新たな技術によるシェア獲得の機会が増えるという。GPUやFPGAだけでなく、国内資本ベンダーによる新たな技術に基づく製品やサービスが市場に投入されているが、普及のためには対応ソフトウェアの開発、導入や利用を支援する体制の構築が必要だ。

 同社のアナリストは、「新技術の乱立により、採用する側の企業において自ら適切な技術を選択することが困難になる可能性がある。ベンダーは、提供するアクセラレーターの種類の多さや製品技術の優位性を訴求することはもちろんだが、あわせてユーザーが選びやすいソリューションとしての提供形態を整えるべきだ」とコメントする。

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