キーマンズネットは2018年10月、「営業部門の業務課題」に関するアンケートを実施した。生産性向上の鍵となる営業部門の効率化はどこまで進んでいるか、障壁は何かを調査した。
キーマンズネットは2018年10月11〜31日にわたり、「営業部門の業務課題」に関するアンケートを実施した。全回答者数163人のうち、営業部門が18.4%、情報システム部門が47.2%、製造・関連部門が14.1%、全社・事業部・スタッフ部門が12.3%、その他8.0%といった内訳であった。
今回は営業部門での「働き方改革取り組み状況」や「働き方改革の取り組み内容」「社内PCの外部持ち出しが可能かどうか」「社内PCの外部持ち出しに関する運用規定」など、営業部門で進む働き方改革の実態を把握するための質問を展開。その結果、全体の47.9%で働き方改革に取り組み中であることや、全体の6割で社内PCの持ち出しが許可されていることなどが明らかになった。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
前編では営業部門の業務課題やIT活用の実態について取り上げたが、その中で今後ITツールによる業務改善の検討項目として注目される項目が2つあった。1つは「顧客、パートナー管理、顧客分析」、もう1つは「場所にとらわれない業務環境の実現」である。そこで後編では主に後者について、営業部門の働き方改革はどの程度進んでいるのか、その実態を紹介していきたい。
まず営業部門で現在、働き方改革/ワークスタイル変革に取り組んでいるかどうかを聞いた。その結果「取り組んでいる」が47.9%、「取り組んでいない」が33.1%、「分からない」が19.0%と続き、約半数の企業で既に取り組みがなされていることが分かった)。具体的な取り組み内容としては、1位「長時間労働の把握・管理、残業削減への取り組み」58.9%、2位「育児休暇制度の整備」39.3%、3位「フレックスタイム制度の導入」36.2%、4位「テレワークの導入」33.1%、5位「介護休暇制度の整備」32.5%と続く(図1)。
注目すべきは1位に挙がった長時間労働や残業についてだ。2018年6月に成立した「働き方改革関連法(推進法)」でも触れられている通り、中小企業であっても月60時間を超える時間外労働に対する5割以上の割増賃金率の適用猶予が廃止(平成35年4月1日施行)されるなど、労働時間の把握・管理の徹底は必須事項となりつつある。
一方で国を挙げて強化していく課題であるにもかかわらず、取り組みそのものを実施している割合はいまだに6割にとどまっている点には注意したい。未着手の企業にあっては柔軟な働き方を提示したり、労働時間の把握や管理体制の整備を早急に検討したりすべきだろう。
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