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営業部門の業務課題とIT活用(2018年)/後編IT担当社300人に聞きました(3/3 ページ)

» 2018年11月29日 08時00分 公開
[キーマンズネット]
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部門横断の情報連携、高度化による一段の業務効率向上に必要なものは?

 営業活動は顧客先に訪問して商材を販売する行為だけではない。当然ながら売り上げに至る前も後も顧客との関係性構築のためにスピードと誠意のある対応をしなくてはならない。例えば1位に挙げられたメールについては、顧客からのお問い合わせに対して社外の移動時間などを利用してメール返信できれば顧客信頼度も営業効率も上がる。また顧客とのアポイント日程などのスケジュール調整、社内決裁なども、グループウェアやワークフロー申請と承認までを社外で行えれば格段とスピードが上がり、営業活動に割く時間を捻出できよう。

 一方、今回の調査では基幹システムに社外からアクセスできる割合が33.1%と全体の3割にとどまり、SFAやCRMなど営業部門からのニーズが高いシステムの場合でも、その割合が2割を下回る低い結果となった。

 基幹システムと連携できれば、例えば営業先で商品の在庫状況が確認できたり、受発注処理や電子帳票の作成がリアルタイムでできたりするなど、一連の営業活動がより現場で完結するような業務フローを実現できると考えられるが、実現には相応の投資が必要なケースが多いことが結果に反映されたと考えられる。昨今のクラウド型システムであれば対応しやすいものであっても、レガシーな業務アプリケーションで、こうした課題に対応するにはVDI(デスクトップ仮想化)などの比較的高価なツールが必要になることが多く、導入しにくい。

 一方で、直近では基幹系業務システムのクラウド対応やライセンス更新に伴うシステム見直しの機運が高まっている。今後数年の間に、レガシーな基幹系業務システムの移行が進めば柔軟なシステムへのアクセスが可能になったり、本稿でテーマとしたSFAやCRMといったツール類との連携も効率化できるようになると考えられる。基幹系システム見直しの1つのバリューとして、働きやすさ、生産性、従業員満足度を高めるツールとして考えていけるだろう。

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